研究課題/領域番号 |
20K23333
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
孔 祥博 立命館大学, 理工学部, 助教 (20880404)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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キーワード | 高齢者の転倒検出 / 低消費電力 |
研究実績の概要 |
一人暮らしの高齢者は、筋力の低下や、歩行障害、視力の衰え、心疾患、脳血管疾患などの原因によって転倒し、発見が遅れると、命の危険もある。従って、転倒などの危険を自動的に検出し、助けを求めるシステムが必要とされている。現在の高齢者を見守るシステムは、「生活情報型」「レーダー型」「着用型」「画像処理型」に分類される。生活情報型はリアルタイムに高齢者の危険を検出することができない。レーダー型は、コストが高い。着用型は、高齢者がデバイスの充電や着用を忘れた場合に保護されない。上述した生活情報型、レーダー型、着用型と比べると、画像処理型の見守りシステムは、ウェアラブルデバイスを着用する必要がない、認識率が高いなどの利点がある。しかし、画像処理には、プライバシー侵害の恐れがある。従来、画像を綺麗に撮影し、人の姿勢を認識し、転倒を検出すると考えられてきた。本研究は、ぼやける画像を撮影し、ぼやけた画像で人の姿勢を認識し、転倒を検出する。これにより、認識率とプライバシー保護を両立させる。本研究は、ぼやけた画像から、深度画像へ変換し、そして深度画像から人の三次元情報を抽出し、転倒検出を行う。今年度は、深度画像から人の三次元情報を抽出し、提案する三次元関節微分分析によって、転倒検出を実現した。また、エッジコンピューティングへ実装するため、高速・低消費電力の研究も行った。姿勢認識などのアルゴリズムは、消費電力が高いため、常に認識すると、計算コストも高くなる。本研究では、まず軽い処理で、人検出を行う。人が検出された時だけ複雑なアルゴリズムで認識する。提案のアルゴリズムによって、システムの消費電力が下がり、平均計算速度も向上した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書に記載した研究は、3段階で行う予定である。 研究A:人工知能に基づく画像処理の研究は、データセットが重要である。多人数の画像を撮影し、データセットを構築する。研究B:本研究は、ぼやけた画像で人の2D関節を検出する。また、深度カメラを導入し、3次元を変換し、3D関節分析による転倒検出のアルゴリズムを開発する。研究C:研究Bで開発された転倒検出手法をエッジ端末(ラズパイ、Nvidia Jetsonなど)に向けて拡張する。 現在の進捗として、 研究Aのデータセットは、現在作成中である。研究Bについて、深度カメラを導入し、3D関節分析による転倒検出の部分を行った。3D関節微分分析のアルゴリズムを提案し、転倒検出を実現した。この研究は、論文誌Procedia Computer Scienceへ投稿し、掲載決定になった。研究Cについて、処理コストを削減し、処理速度を向上させ、消費電力を削減するため、人が検出された時だけカメラを起動するアルゴリズムを提案し、国際会議NCSPで発表した。
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今後の研究の推進方策 |
研究A:各種の部屋に、身長の異なる人の日常生活の複数の種類の姿勢と転倒を、複数段階のシャープネス(綺麗な画像とぼやける画像)、高さ、方向とのカメラで撮影し、データセットを構築する。 研究B:2020年度、深度画像から転倒検出のアルゴリズムを実現した。2021年度、研究Aで作成したデータセットを用いて、ぼやけた画像から2D関節抽出のアルゴリズムを実現する。次に、ぼやけた画像から深度画像へ変換するアルゴリズムを提案し、2D-3D変換を実現し、実験で評価する。 研究C:2020年度実現した高速・低消費電力アルゴリズムを転倒検出へ応用し、ラズパイ、Nvidia Jetson、などのボードへ実装する。さらに高速・低消費電力を実現するため、各種類の部屋と人の画像に対して生成した複数のアルゴリズムがエッジ端末上で繰り返し検出率を計算しながら深層学習のパラメータの情報を基近似計算によって最適化を行い、計算を簡単化することによって、エッジ端末のリソースを効率良く用いる高速計算手法を開発する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究発信・交流のため、次の年度に、国内会議に参加し、研究交流と発表を行い(場所未定・3日間)、100千円使用する予定である。また、国際会議に参加し、研究交流と発表を行い(場所未定・6日間)、200千円使用する予定である。 研究のデータセットを作成に協力する被験者に謝金を出す予定である。10人×21時間×980円/時間、206千円を謝金として使用する予定である。研究プログラミングに参加する博士院生に、1人×120時間×1350円/時間で、162千円を人件費として使用する予定である。 データ解析のため、500千円で深層学習用のパソコンを一台購入する予定である。
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