• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実績報告書

触覚のGestaltの生成・崩壊を利用した材質感提示技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K23346
研究機関九州工業大学

研究代表者

小村 啓  九州工業大学, 大学院工学研究院, 助教 (00881096)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2023-03-31
キーワードVelvet Hand Illusion / 触錯覚現象 / Gestalt theory / プレグナンツの法則 / 定式化
研究実績の概要

触覚のGestalt性を解明するために、Velvet Hand Illusion(以後VHI)の調査を実施した。VHIとは,2本の平行に張られたワイヤを両手で挟んでこすると滑らかな面の感覚が生起する錯覚現象である.最終年度はこれまで実施した実験結果をまとめて論文化に着手した。 期間全体を通じて実施した研究概要を下記に記す。
(1)VHI感と温冷感との重畳の影響、(2)プレグナンツの法則を用いたVHIの定式化、(3)近赤外分光法(NIRS)によるVHI生起時の脳機能計測.
(1)に関しては、2本の鋼線の素材として直径Φ3mmの銅パイプを採用し、温度制御した水を循環させて温冷刺激をVHIに重畳した。SD法による調査を行い、因子空間で触り心地を評価した。調査の結果、温度に応じてVHI感の温度感覚が変化するだけでなく、柔らかさも変化することが分かった。
(2)に関しては,2本の鋼線の周期運動に位相差を与えた時の錯覚量の変化をGestaltのプレグナンツの法則で説明することを試みた。Gestaltとは「部分では説明できない複合的なまとまり」とされ,視覚認識で考えられた概念である.プレグナンツの法則とは,まとまりやすさを法則化したものである.調査の結果、VHIは2本線が同位相に動いている時に強く生起し、位相増加にしたがって減少するが、逆位相になると再び強くなることが分かった。我々は、2本線が同位相,逆位相に動作するときにまとまりとして認識されやすくなると考え、新たなプレグナンツの法則として平行移動の要因と伸縮の要因を提案した。提案法で位相と錯覚の強さの関係を説明可能であることを明らかにした。
(3)に関しては、NIRSを用いた脳機能計測でVHI生起時の脳活動を計測可能か否かを調査した。調査の結果、fMRIの研究で明らかにされた左体性感覚野のVHI特有の脳活動を計測できることを明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 太さの異なる二本の棒が生み出すGestalt により惹起されるベルベット錯触2023

    • 著者名/発表者名
      礒貝 透也,小村 啓,大岡 昌博
    • 学会等名
      IIP情報・知能・精密機器部門講演会講演論
  • [学会発表] Development of Tactile Display for Measuring Human Dexterity2023

    • 著者名/発表者名
      Hiraku Komura, Takumi Takeshige, Masahiro Ohka
    • 学会等名
      IDW2022
    • 国際学会
  • [学会発表] LABNIRSによるVHI感と脳賦活の関係の調査2022

    • 著者名/発表者名
      小村 啓, 山下 恭平, 大岡 昌博
    • 学会等名
      IIP情報・知能・精密機器部門講演会講演論
  • [備考] 九州工業大学の研究者

    • URL

      https://www.ccr.kyutech.ac.jp/professors/tobata/t1/t1-4/entry-4759.html

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi