研究課題/領域番号 |
20K23351
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
大澤 正彦 日本大学, 文理学部, 助教 (40875803)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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キーワード | 他者モデル / 適応 / HAI / 機械学習 / インタラクション |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、深層学習が大量のデータや学習時間を要するため困難であった、人に高速かつ高精度に適応する機械学習の枠組みを確立することである。本研究は機械学習研究とインタラクション研究の両方に位置付けられる。 機械学習研究としての実績として、未学習データの検出技術に関する研究において進展があった。未学習データの検出は、課題で作成する複数の他者モデルのうち、どの他者モデルを利用すべきかを決定するために重要な技術要素である。本年度は、双極空間を利用することで効果的な未学習データ検出が行えることを示し、当該研究は17th IEEE TOWERS Undergraduate Student Awardを受賞した。 インタラクション研究としての実績として、本研究で提案する他者モデルが有効となるインタラクションデザインの研究を推進した。本研究では、1人のユーザに開発した機械学習技術を用いて適応することを念頭に置いているため、1人のユーザからある程度のデータ収集ができる必要がある。そこで本年度は1つの部屋で長期的にエージェントとのインタラクションを行うデザインについて検討を進めた。また、基盤となる技術開発を進めており、インタラクションデザインの評価結果についてHAIシンポジウム2021で発表し、学生奨励賞を受賞した。 日本認知科学会全国大会では、他者モデルについてのオーガナイズドセッションを開催し、当該研究テーマについても多くの研究者との濃密な議論が実現された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究室発足直後であることや、新型コロナウイルスの影響によるオンライン対応で、研究の進展に悪影響が予想されていたが、各要素技術の研究開発は想定以上に進展しており、学会等からも一定の評価を得ている。 特に、エージェントデザインや基礎となる機械学習技術の研究に大きな進展があり、研究課題全体の成功を下支えする成果が得られたといえる。
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今後の研究の推進方策 |
社会情勢に鑑みて実験スケジュールを大幅に変更している。本年度、基礎的な技術や検討事項について集中的に研究したため、来年度は実際に他者モデルの構築と、実験を推進する。 まずは提案時のモデルを実装に落とし込むためより詳細化し、実装した手法をコンピュータシミュレーションによる性能評価を推進していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響により、研究計画を修正し、物品購入などを来年度に後ろ倒ししたため。
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