研究課題
研究活動スタート支援
本研究では、単一粒子分光分析の開発、NO2のPM2.5への不均一反応速度を定量した。NO2の反応速度は、(1)微粒子の化学組成、(2)相対湿度、(3)粒子径、(4)微粒子の酸性度を反応条件として測定した。その結果、この反応速度は、相対湿度にもっとも強く依存することがわかり、反応速度と相対湿度の定量的な関係式を得ることができた。この関係式をもとに、新しく得られたNO2の反応速度の効果を大気化学モデルを用いて評価した。
大気化学
本研究成果は、これまで見過ごされてきたNO2反応の重要性を見出した点である。これまでその重要性が見過ごされてきた最大の要因は、バルク溶液を用いた実験で得られた反応速度の結果を大気微粒子中の反応に直接適応してきたためであると考えられる。本研究成果と同様に、他の反応系でもバルク溶液中の反応とまったく異なる挙動を示す可能性があるため、エアロゾル反応速度の実験的検討がより重要になると考えられる。