研究課題/領域番号 |
20K23365
|
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
寺本 宗正 鳥取大学, 乾燥地研究センター, テニュアトラック助教 (10761041)
|
研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
|
キーワード | 土壌呼吸 / 炭素循環 / 人為的攪乱 / 草原生態系 / 二酸化炭素 |
研究実績の概要 |
本研究ではCOVID-19の影響から、2020年度内におけるモンゴルでの観測は難しいことを想定し、環境観測システムの準備を鳥取県の海浜砂丘(以下砂丘サイトとする)で行うことを当初の研究計画で予定していた。そのため本年度は、砂丘における環境観測システムの設置、試験観測、観測システムごとのデータ比較、土壌水分センサーの校正プロトコルの確立を行った。砂丘サイトには、2020年6月からデータロガー(Campbell Scientific社製CR1000)、ソーラーパネル、カーバッテリー、熱電対および土壌水分センサー(Campbell Scientific社製CS616)からなる環境観測システム一式(以下システムAとする)を導入している。本研究ではさらに、2020年12月にMETER社製のデータロガー(ZL6)、雨量計(ECRN-100)、Par光量子フラックス計、温度・湿度・気圧センサー(ATMOS-14)、土壌水分・温度センサー(TEROS-11)からなる環境観測システム(以下システムBとする)を導入し、システムA、Bのデータ比較を行うことで、どちらがモンゴルにおける環境観測に適当かを検討した。また、乾燥地であるモンゴルでの観測では、土壌水分が重要な観測項目となるが、正確な土壌水分測定のためには、センサーの出力値を現地の土壌で校正する必要がある。本研究では校正プロトコル確立のため、システムAにおけるCS616とシステムBにおけるTEROS-11を用いて、それぞれの砂に対する土壌水分の出力値を温度が一定の人工気象室内で記録した。その際、塩ビ管に充填した砂に一定量の水を段階的に加えたうえで水分センサーの生の出力値と、重量と体積をベースに算出した体積含水率を比較して校正式を得た。本プロトコルは、モンゴルにおける土壌水分の観測においても応用可能なものと考えられる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、環境観測システムの環境観測システムの設置、試験観測、観測システムごとのデータ比較、土壌水分センサーの校正プロトコルの確立を行った。
|
今後の研究の推進方策 |
2021年度は、COVID-19の状況を考慮しつつ、当初の計画通りモンゴルで土壌呼吸および環境パラメータの観測を行うことを目指す。
|
次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響で、国際航空券の価格が不安定になっており、一部の路線では大幅な高騰も見られている。2021年度はモンゴルにおける複数回の現地観測を予定しているため、万が一にも旅費が不足することは避ける必要がある。そのために、2020年度は当初の研究計画を達成するための最低限の物品購入にとどめ、2021年の現地観測に備えることとした。
|