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2023 年度 実施状況報告書

生体脳情報処理における単一神経細胞の樹状突起・スパイン信号処理の機構と役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K23378
研究機関鹿児島大学

研究代表者

佐藤 達雄  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (90830993)

研究期間 (年度) 2022-02-18 – 2025-03-31
キーワード樹状突起
研究実績の概要

大脳皮質は複雑な計算を行うことができる。皮質計算の基本情報処理単位は単一細胞にあると考えられてきた。しかしながら、脳切片などの単離脳標本においては皮質単一細胞の細胞内コンパートメントにも精巧かつ非線形な演算機能が備わることが示されてきた。もし、細胞内コンパートメント自体が情報処理単位ならば、私たちの脳の捉え方が大きく変わる。本研究では、マウスの個体脳において、単一細胞の視覚情報処理計算に着目し、細胞内コンパートメント演算の役割を明らかにする。このことは、大脳皮質の基本情報処理単位の概念を問い直すことに繋がる。
マウス大脳皮質視覚野の非線形な視覚情報処理に着目し、樹状突起の非線形演算が関わるかを問う研究を行ってきた。研究室独自の技術を用いて、非線形な視覚情報処理を行う単一細胞にカルシウム感受性蛍光タンパクを発現させ、細胞体と樹状突起の活動を二光子測光を行った。樹状突起の活動は細胞体の活動とは必ずも一致しないことが明らかになった。
樹状突起の活動を操作すれば、最終的な出力である細胞体の活動はどうなるであろうか?このことを検証するために、個体脳の単一細胞において、細胞体・樹状突起の活動を別々に光遺伝学的もしくは薬理的に操作する独自の手法を開発した。これらの結果を2023年度のシナプス研究会にて発表を行った。
2023年度は、事務上の問題を解決する必要が生じた。機器を梱包後、前所属先の大学が機器の所有権に関する承認プロセスを大幅に変更したため、全く実験ができない期間が6か月生じた。2023年度の後半は、機器の受け取り・買い直しを済ませた後、素早く実験系の再立ち上げ、新しいメンバーに実験技術トレーニングに注力した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年度は、事務上の問題を解決する必要が生じた。機器を梱包後、前所属先の大学が機器の所有権に関する承認プロセスを大幅に変更したため、全く実験ができない期間が6か月生じた。それに応じて、日本に移動する予定だった元研究室メンバーも海外の選択肢を取り、技術移転が喫緊の課題となった。従って、2023年度の後半は、機器の受け取り・買い直しを済ませた後、素早く実験系の再立ち上げ、新しいメンバーに実験技術トレーニングに注力した。これにて実験セットアップの再現・技術移転を完了できた。

今後の研究の推進方策

実験系の再立ち上げ、新しい実験者の技術移転が完了したので、今年度はデータ取得に専念する。

次年度使用額が生じた理由

令和五年度3月にアメリカ出張に使用予定で確保していたものが、直前の予定変更にて次年度に繰り越しとなりました。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (1件)

  • [国際共同研究] Monash Univerisity(オーストラリア)

    • 国名
      オーストラリア
    • 外国機関名
      Monash Univerisity
  • [学会発表] Dendritic basis for non-linear computations in primary visual cortex2023

    • 著者名/発表者名
      Haesuk Lee
    • 学会等名
      令和5年度 シナプス研究会

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公開日: 2024-12-25  

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