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2022 年度 実施状況報告書

タイ少数民族における持続可能なコミュニティ協働型言語・文化ナレッジベースの構築

研究課題

研究課題/領域番号 20KK0007
研究機関東京外国語大学

研究代表者

中山 俊秀  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (70334448)

研究分担者 西井 凉子  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (20262214)
冨岡 裕  神田外語大学, 外国語学部, 講師 (90816505)
研究期間 (年度) 2020-10-27 – 2024-03-31
キーワード言語再活性化 / タイ / 黒タイ
研究実績の概要

本研究は、タイの黒タイ族の消滅の危機に瀕する伝統言語・文化について、コミュニティとの協働を通して、学術研究と言語・文化再活性化という社会活動の双方を支える包括的ナレッジベースを構築することをめざすものである。2022年度には、2021年度までに収集した伝統的文化・言語に関する知識データ、映像資料等を基盤にナレッジベースとしてまとめる作業を完了する予定であった。しかしながら、新型コロナウイルスの蔓延後の混乱のため、タイへの渡航、コミュニティーへの訪問手配が困難な状況が続いたため、本研究を推進する上で不可欠なコミュニティベースの活動(現地調査及びコミュニティメンバーとの共同データ収集および共同研究)については、こちらが出向いての活動は行うことができなかった。しかしながら、海外共同研究者との連携は密に行い、現地コミュニティーでのトレーニングおよび調査活動(言語構造・文法、言語使用の実態、伝統的儀式・儀礼・伝統技術・伝統的世界観・価値観・倫理、コミュニティーの歴史に関する聞き取り調査)についても可能な限り進めることができた。特に、伝統的服装、食文化、踊りなどの芸能、民話についての情報収集についてはコミュニティーメンバーらが積極的に取り組み、進捗が得られた。こうした次善策により、限定的ながら研究を進めることができた。しかしながら、全体計画の進捗は遅れていることは否めないため、研究期間を延長して研究を遂行することとした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新型コロナウイルスの蔓延の混乱のため、タイへの渡航、コミュニティーへの訪問手配が困難な状況が続いたため、本研究の進捗は著しく妨げられた。研究打ち合わせや一部調査をオンラインで行なったり、タイ側の共同研究者の協力により現地での調査やコミュニティーメンバーに向けたトレーニングなどを行なったりした。こうした次善策により、限定的ながら研究を進めることができた。しかしながら、現地で一堂に会してのワークショップや共同調査を通して形成できるはずの連携やラポールが作れないことによる研究推進への障害は大きく、全体計画の進捗も大きく遅れていることは否めないため、研究期間を延長して研究を遂行することとした。現時点では、コミュニティー内での共同研究チームのトレーニングも不十分であり、コミュニティーとの共同による調査を効果的に進める上で支障が残るが、新型コロナ関連の社会的制約が事実上撤廃されてきたため、研究を正常に進める環境が整った。

今後の研究の推進方策

現時点では、コミュニティー内での共同研究チームのトレーニングも不十分であり、コミュニティーとの共同による調査を効果的に進める上で支障が残るが、新型コロナ関連の社会的制約が事実上撤廃されてきたため、研究を正常に進める環境が整ったと判断する。しかしながら、残された研究期間の間にこれまで4年間にわたって阻害されてきた研究計画の全体を遂行することには困難が予想される。

次年度使用額が生じた理由

仮置き

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件)

  • [国際共同研究] Mahidol University(タイ)

    • 国名
      タイ
    • 外国機関名
      Mahidol University
  • [雑誌論文] Approaching the World of the Living from the Extreme of ‘the Invisible’: Thoughts on Spirits, the Dead, and Radioactivity2023

    • 著者名/発表者名
      Ryoko Nishii
    • 雑誌名

      Kaori Kawai ed. Extremes: the Evolution of Human Sociality, Kyoto University Press and Trans Pacific Press

      巻: - ページ: 257-308

  • [雑誌論文] 変化・変異・進化の事実に向き合う種々の言語理論 ― 必要なのは対立か,対話か,連携か ―2022

    • 著者名/発表者名
      小川芳樹, 中山俊秀
    • 雑誌名

      小川芳樹, 中山俊秀編『コーパスからわかる言語変化・変異と言語理論3 』

      巻: - ページ: 1-28

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 言語の多様性が教えてくれること:言語システムの動的性質と文脈依存的性質2022

    • 著者名/発表者名
      中山俊秀
    • 雑誌名

      日本音響学会第148回研究発表会論文集

      巻: - ページ: -

  • [雑誌論文] BLMを芸術につなぐ―差別が意味すること2022

    • 著者名/発表者名
      西井凉子, 藤井光
    • 雑誌名

      武内進一・中山千賀子編『ブラック・ライヴス・マターから学ぶ-アフリカからブローバル世界へ』東京外国語大学出版会

      巻: - ページ: 261-280

  • [雑誌論文] Introduction: Community Movements in Southeast Asia2022

    • 著者名/発表者名
      Ryoko Nishii
    • 雑誌名

      Ryoko Nishii and Shigeharu Tanabe eds., Community Movements in Southeast Asia: An Anthropological Perspective of Assemblages, Silkworm Books

      巻: - ページ: 1-17

  • [雑誌論文] Forest memory and Community Movements: Hmong Communities in Thailand2022

    • 著者名/発表者名
      Ryoko Nishii
    • 雑誌名

      Ryoko Nishii and Shigeharu Tanabe eds., Community Movements in Southeast Asia: An Anthropological Perspective of Assemblages, Silkworm Books

      巻: - ページ: 93-123

  • [雑誌論文] 死者と『顔』2022

    • 著者名/発表者名
      西井凉子
    • 雑誌名

      日本顔学会誌

      巻: 22-2 ページ: 53-59

  • [学会発表] 死者のリアリティ―身体・マテリアリティ・記憶2023

    • 著者名/発表者名
      西井凉子
    • 学会等名
      第7回公開シンポジウム「トランスカルチャー状況下における顔・身体学の構築」
  • [学会発表] 死者とともにあるということ―ナー・チュアの場合2023

    • 著者名/発表者名
      西井凉子
    • 学会等名
      国立民族学博物館共同研究「被傷性の人類学/人間学」
  • [学会発表] 文法体系の拡張:逸脱構文の発達事例から考える2022

    • 著者名/発表者名
      中山俊秀
    • 学会等名
      東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同利用・共同研究課題「理論言語学と言語類型論と計量言語学の対話にもとづく言語変化・変異メカニズムの探求」2022年度第2回研究会
  • [学会発表] 言語の多様性が教えてくれること:言語システムの動的性質と文脈依存的性質2022

    • 著者名/発表者名
      中山俊秀
    • 学会等名
      日本音響学会第148回研究発表会
    • 招待講演
  • [学会発表] 現代タイにおける死生観2022

    • 著者名/発表者名
      西井凉子
    • 学会等名
      ライフヒストリーサルとヒトの誕生・成長・死
  • [図書] コーパスからわかる言語変化・変異と言語理論32022

    • 著者名/発表者名
      小川芳樹, 中山俊秀
    • 総ページ数
      445
    • 出版者
      開拓社
    • ISBN
      978-4-7589-2377-4
  • [図書] Community Movements in Southeast Asia: An Anthropological Perspective of Assemblages2022

    • 著者名/発表者名
      Ryoko Nishii, Shigeharu Tanabe
    • 総ページ数
      312
    • 出版者
      Silkworm Books
    • ISBN
      9786162151866

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公開日: 2023-12-25  

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