研究課題/領域番号 |
20KK0041
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
全 泓奎 大阪市立大学, 都市研究プラザ, 教授 (00434613)
|
研究分担者 |
阿部 昌樹 大阪市立大学, 大学院法学研究科, 教授 (10244625)
閻 和平 大阪商業大学, 経済学部, 教授 (00268286)
野村 恭代 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 准教授 (10461188)
川本 綾 大阪市立大学, 都市研究プラザ, 都市研究プラザ特別研究員 (90711945)
水野 有香 愛知大学, 経済学部, 准教授 (00588486)
湯山 篤 大阪市立大学, 都市研究プラザ, 都市研究プラザ特別研究員 (20731508)
杉野 衣代 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 基幹研究院研究員 (20885644)
|
研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2026-03-31
|
キーワード | 東アジア / 分断都市 / 包摂都市 / 社会開発 / 福祉システム |
研究実績の概要 |
本研究では、東アジアの4つの国や地域に対し、東アジア福祉システムの分岐というマクロな制度領域による影響や変容に注目しつつ、特定地域への社会的不利の集中と、それに立ち向かうための社会開発実践が、地域コミュニティでどのようなセクターやステークホルダー間で形成されているのか、また実践されているのかに焦点を当てて研究を進めた。 研究の実施に際しては、研究メンバーに加え研究協力者も交えた専門部会を設置し、調査実施に向けた研究打ち合わせや、研究課題に関連した研究会を開催しながら研究成果の発信に努めてきた。現在コロナ禍の影響が続いている関係もあり、ほとんどの研究集会はZoomミーテイング等によるオンラインでの開催で進めた。もっとも代表的なものは、2021年8月にYouTube同時配信も活用し延べ1千人以上の参加となった「第10回東アジア包摂都市ネットワーク・ワークショップ」の開催である。終了後は「インクルーシブシティ研究会」という研究組織を発足させ同月に「第1回インクルーシブシティ研究会」も開催した。その他に日韓の社会的不利地域(寄せ場型地域)に対する政策や社会開発実践に関わる調査を実施し、コロナ禍の中での各地域居住者の生活実態の把握や支援課題をあぶりだす形で研究成果の発信に努め、成果をURPレポートシリーズとして刊行した。また、研究会の開催記録や成果のアーカイブ化に向けて本研究グループのホームページ(https://ea-icn.site/)を通して研究会の周知や研究成果の発信等に努めた。 最終的にこうした共同研究の成果をまとめ、2022年3月に『東アジア都市の社会開発:貧困・分断・排除に立ち向かう包摂型政策と実践』(明石書店)を刊行した。さらに、同書籍の刊行に合わせ、大阪市立大学文化交流センターホールにてハイブリット形式による刊行記念シンポジウムを開催した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍による影響もあり、訪問調査や対面での研究集会の開催が困難な状況にある。 現在、Zoomミーテイングやウェビナー等を活用したオンライン形式の国際研究集会や、研究分担者及び研究協力者との研究会等をオンラインで実施している状況ではあるものの、当初設定していた国外の調査計画は、実施方法等を全面的に修正した形に切り替えざるを得ない状況にある。したがって現時点では当初の予定を変更し、上述したような形でオンラインでの研究会等の開催が中心となった形で臨機応変に対応し取り組んできたものの、そういう厳しい状況の中でも、オンライン形式ではあるが、国内外の共同研究者の参加による国際シンポジウムを開催したり、同じく国内外の共同研究者に執筆者として加わってもらう形で共同研究の成果発信を行うことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
当初の今年度(2022年度)の研究計画には、「第11回東アジア包摂都市ネットワーク・ワークショップ」を大阪で開催することとなっていたが、現在まだ新型コロナウィルスによる影響で、以前のような旺盛な国際交流は困難な状況にある。今後も推移を見極めていきながら各国の関係者及び共同研究者と協議の上、同国際ワークショップを前年同様に対面とオンラインを並行させた形でハイブリット形式での開催に切り替えて実施することを検討している。そこで、国内の研究分担者及び研究協力者にも同ワークショップの企画等に協力してもらいながら、これを国際共同研究の場として活かしていこうと準備を進めているところである。その他、韓国や台湾における代表的な社会的不利地域の一つである、いわゆる寄せ場型地域に対する調査を進めることにしている。ただ、先に述べたようにコロナウィルスによる影響で、当該国に出かけることが難しい状況にある。現時点では、2021年度と同様に国外の研究パートナーの協力を得て共同調査を進める形での実施方法を検討している。その他、調査実施国の、専門家や行政関係者、当事者等へのインタビュー調査を、Zoom等を活用して進める形で調整を進めている。それ以外の関連研究者等との研究集会は、引き続きオンラインでの開催で進めることにし、それをまとめる形で研究成果の発信に努めていきたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響による旅費支出が減少。今年度は第11回東アジア包摂都市ネットワーク・ワークショップを大阪で開催予定であるため、その開催費用に充てる予定である。
|
備考 |
「第10回東アジア包摂都市ネットワーク・ワークショップ」の発表資料集をウェブ公開用に作成したものである。
|