研究課題/領域番号 |
20KK0052
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
近藤 佐知彦 大阪大学, 国際教育交流センター, 教授 (70335397)
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研究分担者 |
岡田 昭人 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (60313277)
石倉 佑季子 大阪大学, 国際教育交流センター, 准教授 (40762414)
中野 遼子 大阪大学, 国際教育交流センター, 特任助教 (30801295)
櫻井 勇介 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 講師 (60771219)
長谷川 有希 (鍋島) 東京都立大学, 国際センター, 特任助教 (60868644)
仙石 祐 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 講師 (90829160)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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キーワード | 学生交流 / ニューノーマル / 大学国際化 / 留学 / プログラム / 感染症 |
研究実績の概要 |
国境を越える学生の交流はグローバル化する大学教育の重要な構成要素となってきた。しかし新型感染症が交通を遮断し、キャンパス閉鎖も相次いだ結果、教育の仮想化も進みつつある。従来型の大学間学生交流の企画や設計、実施形態については再考を迫られている。感染症終息後にも大学教育のグローバル化を止めないため、日本を含む世界の高等教育機関はどのような教育の国際化戦略をとるのか。またそのビジョンを共有するのか。 新たな国際化戦略は、コロナ前までに構築されてきた教育資産やネットワーク、プロトコルを基礎としつつも、コロナの影響を加味しながら、交流の枠組みや手順について世界の教育機関でビジョンを共有するべきだろう。 本プロジェクトは日本と縁が深い世界の研究者や実践者と、日本の研究者、特に若手研究者が、あらたな学生交流再開に向けてビジョンを共有するためのアクションリサーチである。日本で「世界に開かれた若手中心のプロジェクト」を立ち上げ、2021年度には以下の取組を行った; ① 世界での留学生政策に関するサーベイ; ② 国内における留学交流に関するデータの収集と分析; ③ 海外で日本留学待機中の外国人留学生を含めた、広範なステークホルダーへの調査; ④ 若手に地域を割り振った上での内外の関係者との意見交換 おおむね二週間に一回の頻度で打ち合わせをおこないつつ、上記の研究課題に取り組んできた。ちなみに2020年度から2021年度にかけ国立大学協会および公立大学協会、ならびに私立大学協会・私立大学連盟などの協力を得て、全国規模の調査を実施し、2021年度はオンラインを含めた学会等の機会を捉えて発表した。 残念ながら2021年についても国境を越えた自由な移動が制限されていたが、世界が動き始める2022年以降に海外調査におもむき、情報収集や分析に取り組むための準備を整えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予想をしていたよりも感染症の影響が長引き、国内外の関連学会等がオンラインで開催される事例が相次いだ。当初より「若手研究者が海外の研究者等と膝を交えた交流をして次世代の大学交流の関係者間で日本のプレゼンスを向上させる」という目的を掲げていたものの、残念ながら若手が実地に国際会議に渡航する、という事例は得られなかった。会議が対面で開催されたにもかかわらず、直前になって上長の許可が取り消され、海外出張の機会を逸したケースもある。そのため、若手に海外を経験させる、もしくは海外の研究者との間に膝を交えた関係性を構築させ、積極的に交流させる、という機会は十分には用意できなかった。したがって海外との接点の強化しての研究能力向上、という目的についてだけをみると、2021年度については、残念ながら、強い制限を受けたまま推移している。 その一方、2021年度から22年度にかけては若手分担者のうち1人がテニュアトラックに乗り、2022年度当初からは、3人が所属先を違えて国内他学への昇任を果たしている。もちろん本科研参画が人事の鍵になったわけではないものの、研究成果の発表などで学会における分担者の発表事例も増えている。海外研究者とのジョイントペーパーなどについては不十分なところはあるものの、若手分担者を育成する、という本プロジェクトの大目的に向けては、一定の成果・進捗を見ることが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
当初予想をしていたよりも感染症の影響が長引き、国内外の関連学会等がオンラインで開催される事例が相次いだ。そのため若手研究者が「海外の研究者等と膝を交えた交流をして次世代の大学交流の関係者間でプレゼンスを向上させる」というプロジェクトの目的については、2020年度に引き続いて2021年度に関しても、残念ながら、強い制限を受けたまま推移した。 2022年度については;① 世界での留学生政策に関するサーベイ; ② 国内における留学交流に関するデータの収集と分析; ③ 海外で日本留学待機中の外国人留学生を含めた、広範なステークホルダーへの調査; ④ 若手に地域を割り振った上での内外の関係者との意見交換 …などについて引き続いて取り組む予定である。全国に広がる分担者を結んで定期的な打ち合わせを継続しつつ、上記の課題に継続的なコミットメントを続ける。また2022年度こそは海外出張によって④の国際調査・聴き取り、そして国際会議などでの発信の場を確保する。世界が動き始める2022年以降に海外調査におもむき、情報収集や分析に取り組む準備を整えている。またそれらの情報の発信についても、HPの定期的な更新、学会発表、ジャーナル発表などを通じて積極的に取り組んでいく。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外出張については自由に出来ない時期が続いている。シニア研究者の海外出張・発表はなんとか果たしたものの、今後国境を越えた移動が自由に出来る時期を期して、特に若手研究者の海外での活躍を期す。2022年度については海外学会での共同発表なども計画されている。
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