研究課題
プラズマ物理で広く知られているプラズマの流体的取り扱い方法に、1流体プラズマ(MHD)モデルがある。抵抗のない理想MHDでは、プラズマは静的であり、そして、磁束管に凍結するとされている。しかし、核融合プラズマや宇宙プラズマ研究でプラズマ中に一定方向へと流れるプラズマ流が発見されるなど、静的ではない動的なプラズマが存在している。このような動的なプラズマをモデル化するために、先進プラズマ物理学ではMHDモデルを拡張した拡張MHDモデルが考えられてきている。拡張MHDでは、抵抗のない動的なプラズマは磁束管ではなく、正準フラックスチューブ(CFT)に凍結すると予測されている。しかし、これをトーラスプラズマで検証した実験はない。この予測を国際共同実験で検証するために、京都工繊大でCFTを検出するための新しいプローブ(以下、複合型プローブと呼ぶ。)を開発した。一方、多面体を利用したプロトタイププローブは、米国ウィスコンシン大学マディソン校物理学科に設置されているMST装置にインストールされて、実際に国際共同実験を合計2週間にわたって実施した。京都工繊大の複合型プローブ測定に必要な周波数帯域が1MHzのアイソレーションアンプのプロトタイプも試作し、論文で発表した。この新型プローブを京都工繊大のRELAX装置に挿入するために必要なプローブ導入機や信号取り出し用の真空部品の製作も完了した。RELAX装置で形成されるRFPトーラスプラズマ中での速度場計測の初期実験を実施した所、速度場が存在することを示している初期データを得ることができたので、このプローブの論文化に入っている。この結果、京都工繊大での複合型プローブの量産化とCFTの本格実験の準備が完了した。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件)
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