研究課題/領域番号 |
20KK0073
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高橋 浩晃 北海道大学, 理学研究院, 教授 (30301930)
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研究分担者 |
宮町 宏樹 鹿児島大学, 理工学域理学系, 教授 (30182041)
松島 健 九州大学, 理学研究院, 准教授 (40222301)
山下 裕亮 京都大学, 防災研究所, 助教 (80725052)
大園 真子 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (10623837)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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キーワード | スロー地震 / カムチャツカ海溝 / 地震観測 / 測地観測 |
研究実績の概要 |
昨年度に選定した傾斜計・広帯域地震計及び周辺機器が納入され試験観測を実施し性能確認を行った。観測システムは200V入力仕様で停電及び雷対策のためにトランスと充電器から機器に給電する方式とし、停電時でも1カ月程度はオペレーションが可能な電力容量を予定した。データロガーは広帯域地震計からのアナログ入力と傾斜計からのシリアル入力を同時に可能とするファームウエアを新たに開発した。観測点の選定をロシア側研究機関と進め、電力やインターネット、セキュリティの関係から、ペトロパブロフスクの海岸付近にある灯台敷地内と、約10km程度海岸から離れた地震観測所とした。傾斜計を設置するボアホール井戸の設計を実施し、掘削孔は10m程度の深度のポリ塩化ビニルケーシング100mmの密閉型完全防水とし、ケーシングの傾斜2度以内、ローラーコーンビットによる掘削を行った後、ケーシング周辺をセメントで充填する仕様書を作成した。ロシア側研究機関が選定した業者との仕様打ち合わせ及び工事価格調整を行い、見積書の発行を受け、随意契約による国際発注の手続きを進めた。また、観測機器の輸出手続きに必要な非該当証明等の手続きも進めた。2022年2月にロシアがウクライナに侵攻した関係で、外務省からロシアへ渡航中止勧告が出され、経済産業省から外国為替及び外国貿易法に基づきロシアへの輸出が役務取引を含め原則承認されないこととなったため、傾斜計用ボアホールの役務発注及び機器輸出の準備を中断した。今後の研究の進め方については、国の規制の動向を見つつ、既存データの利用等を含めた検討を行うこととした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で2021年度中の渡航が行えなかったほか、2022年2月に紛争が始まったため、観測機器の輸出や機器設置用ボアホール掘削の役務発注が行えない状況となっているため。
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今後の研究の推進方策 |
ロシアのウクライナへの侵攻に伴い、ロシアへは渡航中止勧告が出されているほか、関係法令により機器の輸出や機器設置の工事が行えない状態となっている。このため、研究計画は大幅な変更が避けられない状況となっており、日本側研究分担者と今後の進め方について協議が必要である。当面は、紛争の状況を注視するとともに、既存のデータの活用等を含めて、研究を継続する方策を多角的に検討し、研究計画の再構築を図ることとしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症拡大のためロシアへの渡航が行えなかったため。ロシアのウクライナへの侵攻により当初予定していた観測機器設置用ボアホール井戸掘削工事の発注が中断したため。
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