研究課題/領域番号 |
20KK0075
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
前野 深 東京大学, 地震研究所, 准教授 (20444078)
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研究分担者 |
井村 匠 山形大学, 理学部, 助教 (20878524)
McIntosh Iona 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(火山・地球内部研究センター), 研究員 (70780899)
石塚 治 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 首席研究員 (90356444)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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キーワード | 水蒸気爆発 / 噴出物 / 堆積物 / 熱水系 / 噴火履歴 / マグマ供給系 |
研究実績の概要 |
本研究では水蒸気爆発の機構とそれを駆動する火山システムの解明を目的としている。主に仏領グアドループ島La Soufriere火山を対象とした噴火堆積物調査、試料採取、化学分析、年代測定を行うことが本質的に重要となるが、依然としてコロナ禍のためにフランスへの渡航が困難な状況にあったため、2021年度までに予定していた仏研究者との共同での調査や対面での研究打ち合わせは、仏研究者の意見も考慮して実施を見送ることにした。一方で、衛星写真による地形判読の実施、現地調査や分析のための準備や情報収集、および日本国内における類似火山の調査、情報収集に注力した。 日本国内については、2014年御嶽山での水蒸気爆発による災害およびそれ以降発生した事例(2015年箱根火山、2018年草津白根山、2018年霧島硫黄山)について、La Soufriere火山との比較を念頭におき,表面現象の推移や発生場についての情報を収集した。このうちとくに霧島硫黄山については噴火発生場の理解の鍵となる、山体構成溶岩の岩石学的特徴を明らかにするための地質調査及び試料採取を行った。硫黄山溶岩の流下方向に沿って網羅的に岩石試料を採取し、偏光顕微鏡による斑晶鉱物の同定、EPMA分析による鉱物組成分析を行った。その結果、全岩および石基化学組成と非平衡な組成を有する高Mg値のかんらん石の存在や、火口からの距離に応じた斑晶量の系統的な変化など、従来の報告にはない特徴が明らかになった。この結果は、現在の硫黄山溶岩の噴出過程や地下構造の理解を進める上で重要な知見であり、今後さらに分析を進めることでマグマ・熱水供給系のイメージが明確になることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
共同研究者と仏La Soufriere火山における現地調査および仏(パリ,IPGP)での対面での打ち合わせを予定していたが、コロナ禍のために実施できなかった。La Soufriere火山における現地調査については次年度には実施したいと考えており、準備、情報収集を進めている段階にあるが、具体的な日程はまだ定まっていない。そのため、全体として当初の予定より遅れていると言える。
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今後の研究の推進方策 |
La Soufriere火山における噴火堆積物調査を行うことを優先的目標とする。現状、コロナ禍の状況に応じて対応せざるを得ないが、状況が好転しだいスムーズに現地調査を実施できるよう、可能な限りの準備を進めておく。一方で、国内火山との比較研究は進めることは可能であるので、2021年度に着手した霧島硫黄山や、御嶽山、磐梯山などの水蒸気爆発の事例を対象として、表面現象の推移や噴火堆積物の特徴、火山体構造、マグマ供給系を解明するための知見を得る。さらに水蒸気爆発研究の現状と課題についてフランス側研究者と情報を共有する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度までに共同研究者と仏La Soufriere火山における現地調査および仏(パリ,IPGP)での対面での打ち合わせを予定していたが,コロナ禍のために実施することができなかった。主にこれらの渡航のために計上していた経費を使用できなかったために,次年度使用額が生じた。この経費については,次年度にあらためて共同研究者との現地調査や打ち合わせを実施することと,日本国内での比較研究において調査・分析を行うために使用する。
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