研究課題/領域番号 |
20KK0076
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
石川 尚人 富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 教授 (30202964)
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研究分担者 |
加藤 千恵 九州大学, 比較社会文化研究院, 特別研究院(PD) (00828478)
東野 伸一郎 九州大学, 工学研究院, 教授 (40243901)
吉村 令慧 京都大学, 防災研究所, 教授 (50346061)
望月 伸竜 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 准教授 (60422549)
加々島 慎一 山形大学, 理学部, 准教授 (70361243)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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キーワード | プレート拡大境界 / 海洋底拡大 / アファール / 磁気異常 / 無人飛行機 |
研究実績の概要 |
2022年度の無人飛行機による航空磁気探査に向けての準備と既存試料・データの解析を進めた.ただし,新型コロナウィルスの感染状況とエチオピアの国内情勢の変化の影響を受けてエチオピアへの渡航ができず,計画していたアジスアベバでの海外研究協力者との研究打合せ,無人飛行機の使用を管轄しているエチオピア政府機関及びアジスアベバ大学との調査協力に関する折衝,現地調達する探査必要物資の確保ができなかった. 無人飛行機関係では新型コロナウィルスの影響で遅れていた新たな機体の調達がようやくできた.研究分担者・東野が研究協力者・角屋氏と新たに研究協力者として迎えたノン氏とともに調査地の使用条件に適した無人飛行機の開発と調整を進めた.主脚の補強,暑さ対策として内部冷却装置の導入といった使用条件への対応をし.特に,燃料供給及び飛行制御システムの改良により,長距離・長時間の飛行が可能となった. Tendaho Grabenの既存試料・データの解析を研究分担者の吉村・加々島・望月・加藤が分担に従い進めた.2019年度に実施したMT探査データの解析から過去100万年間で拡大したTendaho Grabenの地下20kmまでの比抵抗構造を推定し,Grabenのほぼ中央部の地表付近から約4km深までにある低比抵抗帯が斜めにより深部までつながることがわかった.地表溶岩流の古地磁気解析として古地磁気強度の推定を行い,Graben中央部の数万年前の若い溶岩流の古地磁気強度が高いことがわかった.若い玄武岩溶岩流の年代推定のために,新たな研究協力者(金沢大学・長谷部教授)を迎え,斜長石のTL年代の推定のための研究に着手した. 新型コロナウィルスの影響で計画していた海外研究協力者を招聘しての研究集会は実施できなかったが,リモートでの集会を7月,9月,3月に実施し,研究情報の共有,解析結果と研究計画の議論を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前述の通り,新型コロナウイルスの影響に加えて,エチオピア国内の情勢が不安定となり(11月-2月:非常事態宣言発令),エチオピアへの渡航が禁止されていたので,2022年度から実施予定のエチオピアでの調査に向けた事前準備のための渡航ができなかった.現地での調査を実施するためには,エチオピアの国内情勢の変化により政府機関の体制等の状況も変わったので,事前準備のための渡航は必要不可欠である. 分担に従っての既存試料・データの解析は概ね順調に進んでいる.無人飛行機関係では,新規の機体がようやく調達でき,無人飛行機の開発・調整を進めることはできた.航空磁気探査の実施のために設定してい改善点の多くは克服できた.ただし,試験飛行による機体や飛行制御システム,磁気探査システムの調整は遅れている. 新型コロナウイルスの影響により海外研究協力者を招聘し,研究グループ全体での対面による研究集会を行うことは今年度もできなかった.その代わりにリモートでの研究集会を複数回開催し,研究及び国際交流の進展に努めた.メールによる情報交換に加えてウェブ会議をすることで,研究情報の共有,解析結果や研究計画の議論に関しては必要十分な程度にはできた.ただ,国際研究交流という面では対面と同様というまでにはいかなかった.
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今後の研究の推進方策 |
2021年度までの進捗状況から,残り二年間の研究計画の修正を行った.それに従い,2022年度は,11月末から12月中旬の期間に現地調査(渡航期間17日間で現地調査7日間を確保)を実施することを前提として,それに向けた準備を進める.7月に石川・東野がエチオピアに一週間程度渡航し,海外研究協力者のAmeha A. Muluneh助教(エチオピアAddis Ababa大学),Tesfaye Kidane教授(南ア・KwaZulu Nata l大学)と無人飛行機による航空磁気探査の打合せと必要物資の確保をする。併せてエチオピア政府の関係機関とアジスアベバ大学に調査協力を依頼する.現地調査ではDubbahu-Manda Hararo Rift とTendaho Grabenの北部地域を対象地域として航空磁気探査を実施する.地表溶岩流から古地磁気学的・岩石学的・地球年代学的解析のための試料採取も行う.石川・東野・加藤・望月,無人飛行機関係の研究協力者である角谷氏・ノン氏,上記海外研究協力者2名が参加する.無人飛行機は予備も兼ねて2機を持ち込み,探査では測線に優先順位を設けて実施する.新型コロナウィルスのエチオピアでの感染状況によってはエチオピアへの渡航が認められない可能性はある.その場合は研究計画を再考する. 研究分担者は分担に従って,無人飛行機の整備(試験飛行の実施),既存試料・データの解析を各研究機関で進める.研究情報の共有,解析結果の議論,研究計画の検討のために,普段のメール連絡に加えて,リモートによる研究集会を定期的に行う。2023年2~3月の期間に海外研究協力者2名を日本に一週間程度招聘し,研究集会を実施しする.これらの機会を通じて進捗状況に対応しながら研究の着実な遂行を図るとともに,研究交流を行い,国際共同研究体制の深化を図る.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの感染状況の影響とエチオピアの国内情勢の不安定化により,2022年度の調査の実施に向けた事前準備のためのエチオピア・アジスアベバへの渡航を取りやめた.このためにその渡航に関わる旅費の使用がなくなった.また,日本(京都大学)で行うことを計画していた対面での研究集会の実施を新型コロナウィルスの感染状況の影響により見送った.そのため,日本側研究メンバーの国内旅費,海外研究協力者2名の日本招聘のための旅費の使用がなくなった. 今年度の残額は来年度の研究計画の実施において使用し, 7月の事前準備のためのアジスアベバへの渡航に係る旅費,11月末から12月中旬の期間の現地調査のための旅費と機材の運送費やレンタカーの使用に係る経費,2月から3月の期間に実施する研究集会に関する日本側研究メンバーの国内旅費,外国人研究協力者の日本招聘に係る旅費に使用する.
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