研究課題
本研究では、火星衛星の起源と形成過程の解明を目指した日仏共同研究体制の構築と強化を行うことを目的としている。この目的を達成するためには、これまで独立的に行われてきた理論研究、再現実験、物質分析、観測の融合研究を行い、研究代表者と分担者が年に1回程度1ヶ月間渡仏し、パリ地球物理研究所とパリ天文台にて、それぞれ、火星衛星の起源に関する理論研究と、火星衛星のスペクトルに関する分析と観測を行う必要がある。本年度は、新型コロナウィルスの世界的な感染拡大を受けて、渡仏することができなかった。しかし、zoomやメールなどを使って、理論研究、再現実験、物質分析、観測を遂行するために、緊密に連絡を取り合い情報の共有を行った。理論研究においては、玄田(代表)、兵頭(分担)、黒川(分担)が、Charnoz(パリ地球物理研究所・フランス)と共同で、巨大衝突説・捕獲説の両説において研究を進めている。また、実験研究においては、火星模擬物質の作成を、中村(分担)が中心となって進めている。火星隕石の分析に関しては、臼井(分担者)が中心となって行い、研究成果もでつつある。MMX探査機に搭載する近赤外分光計(MIRS)による火星衛星フォボス観測計画においてもBarucci(パリ天文台・フランス)と共同で検討を進めている。そして、宇宙望遠鏡(Twinkle)を用いたフォボスとデイモスの観測についても、黒川(分担)が中心となって観測計画を検討している段階にある。
3: やや遅れている
当初予定していた研究代表者および分担者の渡仏については、新型コロナウィルスの世界的な感染拡大を受けて遂行することができなかったため、「(3)やや遅れいている」とした。一方で、zoomやメールなどを使って、理論研究、再現実験、物質分析、観測を遂行するために、緊密に連絡を取り合い情報の共有を行っており、なるべく計画通りに遂行できるように努めている。
新型コロナウィルスの世界的な感染拡大の今後の状況にもよるが、zoomやメールなどを使ってできるかぎり研究遂行に支障がでないように対策しながら計画通りに進めていく。
新型コロナウィルスの世界的な感染拡大を受けて、当初予定していた研究代表者および分担者の渡仏ができなかったため、それに応じて次年度使用額が生じた。次年度は、ワクチンの普及などにより渡仏できるようになれば、計画よりも長めの滞在、もしくは2度の渡仏を行うなどして、当初計画していた研究を遂行する。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 4件、 査読あり 14件) 学会発表 (30件) (うち国際学会 17件、 招待講演 3件)
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