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2022 年度 実施状況報告書

気候変動を考慮したワジのフラッシュフラッドのリスク分析および早期警戒システム開発

研究課題

研究課題/領域番号 20KK0094
研究機関京都大学

研究代表者

角 哲也  京都大学, 防災研究所, 教授 (40311732)

研究分担者 カントウシュ サメ・アハメド  京都大学, 防災研究所, 准教授 (70750800)
小柴 孝太  京都大学, 防災研究所, 助教 (80883157)
佐藤 嘉展  愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (90414036)
研究期間 (年度) 2020-10-27 – 2024-03-31
キーワード洪水 / ワジ / フラッシュフラッド / 気候変動 / 早期警戒システム
研究実績の概要

本年度は、研究代表者の角および研究担当者(Kantoush他)が、スルタン・カブース大学(共同研究代表者:Dr. Ali Al-Maktoumi)およびマスカット近郊のワジ・サマイル他の現地調査を実施し、以下の研究を進めた.
1)ワジ上流域における降雨-洪水流出-土砂輸送のモニタリングによるWFF発生検知について,画像解析によるWFF水理特性量(水位,流速)の把握手法の高精度化について現地で協議(Al Mamali, Kantoush, オマーンMRMWR, カブース大学)を実施した。
2)WFFの土砂流出特性の把握手法開発(小柴,角, オマーンMRMWR,カブース大学)について、ワジのフラッシュフラッドに伴って流出してくる土砂を把握するために、日本で開発されたプレート型インパクトセンサーの製作を行い、ワジ・サマイルの上下流2ヵ所に設置を行った。これらシステムは、プレートセンサー本体(ステンレスプレートおよびマイクロフォン)、データロガー、データ伝送装置からなっており、現地の携帯回線を通じてクラウド上にデータがアップロードされる仕組みである。
3)現地で実際に流れを発生させて土砂を衝突させた模擬流砂実験を行い、信号取得の確認と流砂量を衝突信号量の相関を求めてキャリブレーションを実施した。
4)モニタリングデータを用いた洪水被害軽減のためのリアルタイム早期警報システムの開発について,実際にフラッシュフラッドが発生した場合の、雨量,水位,流速,土砂移動データを取り込み,WFF特性量を分析し,発生検知・早期警報システムとして開発するための準備を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウィルス感染症の関係で現地への調査渡航が遅れたが,ようやく現地渡航が実現した。遅れを取り戻すべく、京都大学のオマーン人留学生を通じて、先方カウンターパートであるカブース大学や水資源省と協議を進め、必要な現地データの取得および分析を進めた。現地での計測機器の設置作業、日本国内でのデータ解析は順調に進められている。

今後の研究の推進方策

設置した計測機器を活用して、ワジのフラッシュフラッドのデータ取得を進める。現地での作業が発生すれば、京都大学のオマーン人留学生を通じて、先方カウンターパートであるカブース大学や水資源灌漑省との協議を進めて必要なサポートを受ける。
マスカット近郊のワジ・サマイル他に設置した、フラッシュフラッドの観測のためのプレート型インパクトセンサーや監視カメラ、水位計などの観測機器の計測機器により得られたデータ分析を行い、降雨と河川水位上昇の関係、降雨と土砂流出の関係などの検討を進める。
これからデータを用いて、ワジにフラッシュフラッドの早期警戒システムへの活用方法について検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

現地に設置した計測機械の維持パーツが次回の渡航時に必要となるが、その詳細仕様の確定に時間を要したため、その購入代金を翌年度分として留保した。翌年度の渡航に合わせて改めて購入して現地に持参する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] Sultan Qaboos University/オマーン水資源灌漑省 (MRMWR)/オマーン気象局(オマーン)

    • 国名
      オマーン
    • 外国機関名
      Sultan Qaboos University/オマーン水資源灌漑省 (MRMWR)/オマーン気象局
  • [雑誌論文] Assessment of sediment yield and deposition in a dry reservoir using field observations, RUSLE and remote sensing: Wadi Assarin, Oman2023

    • 著者名/発表者名
      Al-Mamari Mahmood M.、Kantoush Sameh A.、Al-Harrasi Tahani M.、Al-Maktoumi Ali、Abdrabo Karim I.、Saber Mohamed、Sumi Tetsuya
    • 雑誌名

      Journal of Hydrology

      巻: 617 ページ: 128982~128982

    • DOI

      10.1016/j.jhydrol.2022.128982

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Assessment of sediment transport and sedimentation in a dry environment, Oman2022

    • 著者名/発表者名
      Almamari Mahmood, Sameh A. KANTOUSH, Mohamed SABER, Tetsuya SUMI
    • 学会等名
      DPRI Annual Meeting 2023
  • [学会発表] Sediment transport monitoring techniques for dams and reservoir operation management in the Wadi system2022

    • 著者名/発表者名
      Mahmood Almamari , Sameh A. Kantoush and Tetsuya Sumi
    • 学会等名
      Sultan Qaboos University, Technical workshop "Sedimentations of Reservoirs in Arid Areas” (Oman)
  • [学会発表] Detection of Morphological Changes for Wadi Channel Bed in the Arid Region Using SFM Photogrammetry2022

    • 著者名/発表者名
      M. Al mamari, S. Kantoush, T. Sumi, M. Saber
    • 学会等名
      IAHR, River Flow 2022 (online)
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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