研究課題/領域番号 |
20KK0098
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
飯塚 悟 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (40356407)
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研究分担者 |
玄 英麗 東京工芸大学, 工学部, 助教 (20770564)
久保田 徹 広島大学, 先進理工系科学研究科(国), 教授 (80549741)
村山 顕人 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (60396760)
高取 千佳 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (10736078)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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キーワード | 温暖化 / 暑熱環境予測 / 都市計画 / 健康 |
研究実績の概要 |
2021年度は、対象国・インドネシアの研究対象とする都市のうち、首都・ジャカルタを中心に温暖化ダウンスケーリングシミュレーションによる都市暑熱環境の将来予測を実施した。将来予測の対象時期は2030年代と2050年代としたが、それぞれの年代において高温多湿気候(雨季)の代表月と高温乾燥気候(乾季)の代表月に着目して予測を進めた。高温多湿気候および高温乾燥気候の代表月は、欧州中期気象予報センターが提供している再解析データERA5の41年間(1980年-2020年)の日中(11時-14時)の気温、相対湿度、降水量データを基にして選定した。選定結果は、高温多湿気候の代表月が4月、高温乾燥気候の代表月が9月となった。また、将来予測に導入する土地利用データは、2030年代予測用、2050年代予測用ともに、ジャカルタ州政府の2030年都市計画マスタープランを基に作成した。 当然のことながら、将来予測は未確定要素が多く、予測結果の不確実性は高い。その不確実性の幅を定量的に評価するため、温暖化ダウンスケーリングシミュレーションの出発点となる全球気候モデルの結果(この結果が国スケール、地域スケール、都市スケールのシミュレーションモデルの初期値・境界値となる)に対して、2種類の温室効果ガス排出シナリオ(RCP2.6とRCP8.5)と2種類のシミュレーションモデル(気候感度の高いGFDL-CM3と気候感度の低いGISS-E2-R)の結果を導入して検討を行った。対象年代の将来予測においては、これらの全球気候モデルの結果に伴う都市暑熱環境予測の不確実性の幅は、土地利用変更(現状土地利用→将来都市計画(マスタープラン))に伴う都市暑熱環境の変化よりも大きいことが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
インドネシア・都市暑熱環境の将来予測に関しては、当初の計画通り順調に進んでいる。健康被害予測の前段階としてのWBGT(暑さ指数)の予測・評価にも既に着手している。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度に実施した都市暑熱環境の将来予測の結果を基に、今後は健康被害予測を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度もコロナ禍で対象都市への渡航ができなかったため、次年度使用額が生じた。所属機関等からの許可が得られることが条件となるが、次年度は対象都市への渡航を計画したい。
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