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2022 年度 実施状況報告書

建築由来のアスベスト健康影響評価のためのin silicoモデルの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20KK0099
研究機関九州大学

研究代表者

伊藤 一秀  九州大学, 総合理工学研究院, 教授 (20329220)

研究分担者 劉 城準  九州大学, 総合理工学研究院, 准教授 (30783394)
牟田 諒太  九州大学, 総合理工学研究院, 技術職員 (40852629)
研究期間 (年度) 2020-10-27 – 2024-03-31
キーワードアスベスト / in silico model / 計算流体力学 / 経気道曝露
研究実績の概要

本研究は建築解体時に発生するアスベストの飛散と空気中濃度を必要十分な工学精度で予測した上で,アスベストの経気道曝露に伴う短期・長期の健康影響を定量的に評価するための数値気道モデルを開発する.2022年度は研究計画に従い,以下の研究課題に取り組んだ.
(1)これまでに開発してきた鼻腔・口腔から気管支第4分岐までの数値気道モデルを拡張し,高精細CTデータを用いて気管支第8分岐まで再現した新たな気道モデルを作製した上で,気管支第9分岐から16分岐までを人工的なアルゴリズムにて再現した終末細気管支モデルを統合した.結果として,鼻腔・口腔から気管支第16分岐(終末細気管支)までの呼吸器詳細幾何形状を再現した数値気道モデルを作成した.
(2)下気道でのアスベスト曝露解析へ適用するため,肺胞位置でのガス交換モデル(酸素-二酸化炭素交換モデル)を作製し,気管支第16分岐位置での境界条件モデルとして統合することで,鼻腔・口腔から気道を経由して肺胞位置までの全ての呼吸器要素を統合した完全呼吸器モデルを作成した.
(3)鼻腔・口腔から気管支第16分岐(終末細気管支)までの呼吸器詳細幾何形状を再現した数値気道モデルを用いて,1nmから10umの広範な粒径を対象とした気道内Lagrange粒子拡散解析を実施することで,上気道から下気道まで含めた粒子沈着分布,上気道・下気道通過確率を解析し,in vivoならびにin vitro結果と比較することで解析精度を検証した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画に従い,下気道でのアスベスト曝露解析を可能とする気道モデル開発まで順調に進展している.新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴う海外渡航制限も緩和されたことから,2022年度には豪州RMIT大学の共同研究者と対面での共同研究実施も再開された.

今後の研究の推進方策

研究の最終年度である2023年度は,新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴う海外渡航制限も緩和されたことから,博士課程学生と共に豪州RMIT大学ならびにADRIに滞在し,国際共同研究を現地で対面にて推進する計画である.

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の世界的なパンデミックに伴い,豪州への出張が制限されていたことから,当初予定の豪州RMIT大学ならびにADRIでの現地での共同研究実施が出来ず,旅費の使用額に計画予定との差が生じる結果となったことが次年度使用額が生じた主な理由である.2023年度は,海外渡航の制約も無くなることから,当初予定どおり豪州RMIT大学ならびにADRIに短期滞在することで,共同研究を実施する計画としている.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2022 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Transport and deposition of inhaled man‐made vitreous and asbestos fibers in realistic human respiratory tract models: An in silico study2022

    • 著者名/発表者名
      Dang Khoa Nguyen、Phuong Nguyen Lu、Takahashi Ken、Ito Kazuhide
    • 雑誌名

      JAPAN ARCHITECTURAL REVIEW

      巻: 5 ページ: 592~608

    • DOI

      10.1002/2475-8876.12277

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Prediction of exhaled carbon dioxide concentration using a computer‐simulated person that included alveolar gas exchange2022

    • 著者名/発表者名
      Kuga Kazuki、Sakamoto Mitsuharu、Wargocki Pawel、Ito Kazuhide
    • 雑誌名

      Indoor Air

      巻: 32 ページ: 13079~13079

    • DOI

      10.1111/ina.13079

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Computational analysis of ultrafine and fine particle deposition mechanisms in human lower airway2022

    • 著者名/発表者名
      Nguyen Dang Khoa, Kazuhide Ito
    • 学会等名
      ACFD 2022, South Korea, October 16-19
    • 国際学会
  • [学会発表] Numerical Investigation of Fine particle Transportation and Deposition in the Human Lower Airway: Impact of airflow and particle size on deposition efficiency2022

    • 著者名/発表者名
      Nguyen Dang Khoa, Nguyen Lu Phuong, Kazuhide Ito
    • 学会等名
      IEICES 2022, IGSES, Kyushu University
    • 国際学会
  • [学会発表] Regional deposition characteristics of fibrous particles compared to spherical particles in human upper airway - in silico case study2022

    • 著者名/発表者名
      Nguyen Dang Khoa, Kazuhide Ito
    • 学会等名
      IEICES 2022, IGSES, Kyushu University
    • 国際学会
  • [備考] 九州大学 伊藤一秀研究室

    • URL

      http://www.phe-kyudai.jp

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公開日: 2023-12-25  

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