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2020 年度 実施状況報告書

新時代の「現場力」を活かした首都ローマを囲むアウレリアヌス城壁の国際共同調査・研究

研究課題

研究課題/領域番号 20KK0100
研究機関九州大学

研究代表者

堀 賀貴  九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (20294655)

研究分担者 池口 守  久留米大学, 文学部, 教授 (20469399)
奥山 広規  九州大学, 人間環境学研究院, 学術協力研究員 (50852365)
佐々木 健  京都大学, 法学研究科, 教授 (70437185)
山田 順  西南学院大学, 国際文化学部, 准教授 (90352202)
研究期間 (年度) 2020-10-27 – 2026-03-31
キーワードラテラーノ地区 / ポンデラリア / RANSACアルゴリズム
研究実績の概要

コロナ・ウィルスの感染拡大により,入国後2週間の待機が義務づけられたため,実質的に伊国ローマへの渡航が不可能となった。引き続き,アウレリアヌス帝城壁の調査許可は有効であることを確認し,ローマ遺跡監督局と連携しながら,調査準備を進めた。感染拡大前に予備的に行ったラテラーノ地区のサンタンジェロ地下の古代ローマ遺跡調査において収集したデータの分析を行った。その結果をイタリアにおいて論文集の1編として出版した。また,ポンペイやヘルクラネウム,オスティアにおいて先行して行われた研究を完了した調査データとの比較も同時に進めた。その結果,2編の論文(プロシーディング)をヨーロッパ考古学協会総会の研究発表へ投稿し受理された。一つはポンペイのポンデラリアと呼ばれる基準升の容量に関する研究で,ローマ尺とオスク尺の数値的な違いを確認し,双方が併存していたことを確認した。今後は,壁量としての壁の容量の計測を進め,建設の経緯の考察を深めていく。アウレリアヌス帝の城壁についても,容量を計測することにより,必要資材の量についての詳細な検討が可能となる。また,新しい分析方法としてRANSACアルゴリズムを用いた形状分析方法の検討に着手し,その成果も同総会にて発表予定である。レーザー実測におけるノイズ(外れ値)の検出に役立てる。予備調査の結果の一部がNHKの番組「バチカン秘密の宮殿」(BSプレミアムチャンネル 3月6日(土)19:00-20:59放映)にて紹介された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現地調査は実現できなかったが,現地の研究協力員とオンラインにより研究を進めることができた。加えて,既存データの分析によって,計画よりも早く成果がでつつある。

今後の研究の推進方策

現地の研究協力者との連携をさらに緊密にし,調査現場の状況を把握する。また,より短時間での調査を可能にするため,レーザー測量のオペレーションについて日本国内で検討できることは準備する。オンラインでの会議,打ち合わせ,研究会の開催が可能になりつつあり,画面共有やクラウドによるデータ共有を通じて,遠隔でもデータの評価・分析を行える環境を整える。ただし時差の問題は避けがたいため,調査をともなわない必要最小限の渡航は不可欠であり,ハイブリッド(ハイフレックス)な環境による研究遂行の可能性を検討する。データのクラウド化については,2021年度中に試行的に行う。ただし,テラバイトに達するデータのため,引き続き技術的な検討を進める必要がある。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] Sovrintendenza Capitolina/Parco Archeologico di Ostia antica(イタリア)

    • 国名
      イタリア
    • 外国機関名
      Sovrintendenza Capitolina/Parco Archeologico di Ostia antica
  • [学会発表] Applying RANSAC Algorism to Analyse Archaeological and Architectural Materials from Ostia Antica.2021

    • 著者名/発表者名
      OGAWA,T.and HORI,Y.
    • 学会等名
      27th EAA Annual Meeting
    • 国際学会
  • [学会発表] Re-examination of the Lattice Window of the House of the Mosaiced Atrium in Herculaneum : in terms of Architecture.2021

    • 著者名/発表者名
      Ogawa,T., Fujii,Y.
    • 学会等名
      AIHV22
    • 国際学会
  • [図書] Resoconto dei rilievi tramite laser scanning eseguiti nel 2018-19 presso il sito archeologico sotto l’Ospedale dell’Angelo (Roma)2020

    • 著者名/発表者名
      OGAWA,T.and HORI,Y.
    • 総ページ数
      166
    • 出版者
      Sesto Fiorentino
    • ISBN
      9788892850149
  • [備考] 九州大学建築史研究室

    • URL

      https://history.arch.kyushu-u.ac.jp

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公開日: 2021-12-27  

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