研究課題/領域番号 |
20KK0112
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
境 慎司 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (20359938)
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研究分担者 |
小嶋 勝 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 准教授 (00533647)
中畑 雅樹 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教 (40755641)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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キーワード | 3Dプリント / 組織工学 / 再生医療 |
研究実績の概要 |
3Dプリンティングは、複雑な内部構造を持つ構造体の造形を可能とする。特に、イン クに細胞を含ませて用いるバイオプリンティングは、現状はまだ不可能なものの、従来技術 では造形できなかった機能的な組織や臓器の代替物の作製を実現する技術として期待されている。そして、その実現には、プリンタの進化とともにインクの進化が不可欠である。本研究では、フランスの研究グループと共同研究にて、インクの進化に不可欠な新たな生物活性物質を天然資源の中から見出し、それに必要な機能を付与することで、それらの材料からなるインクライブラリを構築することを目的とする。2022年度は、前年度に引き続きCOVID19の感染拡大の影響により期中まで渡航が難しかった状況の中で、オンラインでのディスカッションをもとに共同研究を進めるとともに、博士課程の学生が1名4ヶ月間、共同研究先に滞在して新たなインク材料の獲得に関する検討を行い、これまで検討を実施していなかった異なる起源のキトサンの有用性を実証できた。さらに、未修飾のポリグルクロン酸に対して、将来的にバイオインクに混入する細胞包括マイクロカプセルの素材として検討を行い、その有用性を実証することができた。この未修飾のポリグルクロン酸に関する成果に関しては、学会発表を行うとともに、査読付き学術論文誌への論文投稿を行った。これらに加えて、渡航が難しい状況を活かすべく、次年度からの共同研究の基礎となる複数の技術の開発に取り組み、複数の論文発表を行った。なお、新たなキトサン修飾物のインク材料に関しては、今後、3Dバイオプリンティングを実施してその有効性の実証を行う。なお、このキトサン修飾物に関しては、細胞接着性が不十分でないことがわかっている。この点に関しは、各種修飾を行うことにより改善を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID19の影響により、フランスの共同研究先で実施予定であった研究の多くが実施できていないため。
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今後の研究の推進方策 |
COVID19の影響により、フランスの共同研究先への渡航が困難な状況が継続したため、特に旅費に関して差額が生じた。次年度は、渡航しての研究ができるはずであるため、共同研究先で実施する研究を増やす予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID19の影響により、フランスの共同研究先への渡航が困難な状況が継続したため、特に旅費に関して差額が生じた。次年度は、渡航しての研究ができるはずであるため、共同研究先で実施する研究を増やす予定である。
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