研究課題
前年度国内で作製したディスポーザブル電極(DPE)を用いて、国内で蚊媒介性ウイルス、また国外の臨床検体からウイルスの検出を行った。1)ストレプトアビジン-ビオチン共役法を基盤とした使い捨てDPEの作製及びウイルス検出への応用:室温で使い捨て金電極の表面に金ナノ粒子-ポリニリン(PAni/AuNP)の複合体層を堆積させ、ストレプトアビジン-ビオチン共役法でビオチン化抗体を修飾した。この電極を用いて、蚊媒介性感染性ウイルス、チクングーニャウイルスおよびジカウイルスを100 fg/mLから1 ng/mLの範囲で、それぞれ1.33 fg/mLおよび12.31 fg/mLの検出限界で標的ウイルスを検出することができた。2)インドネシアでデングウイルスの検出:汎用性のある実用的な使い捨て電極を用いて海外現地に出向いてウイルス検出を行った。PAni/AuNP複合体層をDPEの表面に形成させ、抗体の足場を増やした。電気化学インピーダンス分光法(EIS)で電極の性能を確認し、モデルウイルスとしてノロウイルス様粒子を検出したところ、検出限界が1.80 fg/mLで変動係数も10%未満であった。この電極を用いて、インドネシアで採集した臨床デング熱31検体を調べた結果、陽性13と陰性18の判別ができた。3)インド、インドネシアでの臨床検体からのデングウイルスの検出:電流を指標とする簡便な小型ポテンシオスタットμStat-400をインドやインドネシアに持ち込み、アンペロメトリー法で臨床検体からデングウイルスの検出を行った。デング熱患者の検体(インド39、インドネシア21、合計60)から、6検体は偽陰性、4検体は偽陽性、33検体は陽性及び17検体は陰性であった。本使い捨て電極で得られた結果は、PCRによる結果と同等であり、実用的なウイルス検出用免疫センサーの実現可能性を示している。
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