研究課題
本年度は金属ナノヘリックスの作製方法の一つとして、自己組織化シリカヘリックスをテンプレートとする方法の開拓を進めた。16-2-16カチオン性界面活性剤と酒石酸がナノヘリカル状に自己組織化し、これをゾルゲル法によってシリカコーティングすることでシリカヘリックスのテンプレートを得た。このシリカヘリックス内部の酒石酸アニオンを[AuCl4]2-イオンで交換することで前駆体を導入し、還元剤を用いた化学還元によってAuナノヘリックスの作製に成功した。得られたAuナノヘリックスの光学特性を評価し、シミュレーションによる再現も行った。また、同時に複数種類の金属錯アニオン([AuCl4]2-と[PdCl4]2-)を前駆体としてシリカヘリックス内部へ導入することに成功し、それを化学還元することによってAu-Pd合金からなるナノヘリックスの作製が可能であることを実証した。合金ナノヘリックスの場合、イオン交換に用いた水溶液の金属イオン比率を反映した合金は得られず、合金組成が目標からずれてしまう傾向がみられた。この原因をイオン交換後の前駆体の導入料の差にあることも明らかにした。ナノヘリックス作製の研究と並行して、新たな国際共同研究として発光寿命が異なる2種類の直線偏光発光(LPL)フィルムと位相差フィルムを積層した「多層型発光式円偏光コンバータ」を作製し、パルス励起光の照射で生成される円偏光スペクトルの時間変化を検出することにより、時間多重化された円偏光情報の読み出しに成功した。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (19件) (うち国際学会 5件、 招待講演 3件)
Materials Advances
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