研究課題/領域番号 |
20KK0123
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
家 裕隆 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (80362622)
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研究分担者 |
横山 創一 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (40811211)
陣内 青萌 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (40861042)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2025-03-31
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キーワード | 有機半導体 / 共役化合物 / 有機太陽電池 / 有機エレクトロニクス |
研究実績の概要 |
π共役分子を有機半導体材料に用いた有機エレクトロニクスは、次世代デバイスの有望候補である。本国際共同研究では一貫して、構造有機化学の切り口で分子構造-基礎物性-薄膜物性-デバイス特性の相関を解明する。本研究では、以下の3つの研究目的(①有機半導体の『分子構造』と『誘電特性』および『素子機能』を結ぶ相関の解明、②精密分子集積可能な拡張二次元分子構造の開発、③近赤外吸収と熱電変換に向けた半導体材料の開発)を設定し、これに適した新規有機半導体材料を設計・合成し、有機太陽電池等の薄膜・デバイス評価も行う。本年度は誘電特性に焦点をあてた研究目的①として、ナフトビスチアジアゾールに着目し、誘導化したNTzユニットを組み込んだ新規有機半導体材料の開発を系統的に行った。創出した材料の電子吸収スペクトル測定とサイクリックボルタンメトリー測定を行い、分子構造が基礎物性に与える影響を明らかとした。また、これらの材料をアクセプターとする太陽電池を作製し、その機能評価を行った。さらに、理論計算で創出した材料の誘電特性を見積もり、共役系内の置換基が誘電特性に及ぼす影響に関して知見を得ることができた。②に関しては、二次元分子の基本骨格開発に向けて、ベンゾジチオフェンを組み込んだ拡張π共役分子の合成を達成した。③近赤外吸収に向けた材料として、ナフトビスチアジアゾール骨格をアクセプター骨格として用いたドナーーアクセプター構造の新規材料を設計し、合成ルートを確立した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目的①から③に対して、いずれにおいても新規材料開発が順調に進捗しているため。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度はコロナウイルスの影響により、ドイツマックスプランク研究所との共同研究が困難な状況であった。2022年度は材料開発を継続すると同時に、これまでに創出した新規有機半導体材料に対して、ドイツマックスプランク研究所で薄膜・デバイス評価を実施する計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度はコロナウイルスの影響でドイツマックスプランク高分子研究所での研究打ち合わせが実施困難となったため、2022年度に繰り越すこととなった。2022年度は大阪大学での材料開発と並行して、マックスプランク高分子研究所での共同研究を行う計画である。
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