研究課題/領域番号 |
20KK0131
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
岡澤 敦司 大阪公立大学, 大学院農学研究科, 准教授 (10294042)
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研究分担者 |
杉本 幸裕 神戸大学, 農学研究科, 教授 (10243411)
若林 孝俊 大阪公立大学, 大学院農学研究科, 特任研究員 (20843858)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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キーワード | 根寄生雑草 / ハマウツボ科 / インベルターゼ / 糖代謝 / ストリゴラクトン |
研究実績の概要 |
ハマウツボ科(Orobanchaceae)の根寄生雑草は、主要穀物やナス科、マメ科、セリ科、アブラナ科などの経済的に重要な作物に多大な被害をもたらしている。特に、アフリカにおけるハマウツボ科ストライガ属(Striga spp.)によるイネ科穀物に対する被害は深刻であり、貧困と飢餓の直接的な要因となっている。持続可能な開発目標(SDGs)を達成するためには、その克服が必須である。本国際共同研究では、これまでの研究成果とスーダン側共同研究者との強固な連携体制をもとに、作物に根寄生雑草に糖を奪われない形質と、根寄生雑草の発芽を誘導しない形質を付与し、スーダンにて実証試験を行うことを目的とした。 以前に取得していた根寄生雑草ヤセウツボのトランスクリプトームデータより根寄生雑草が宿主より糖を収奪する際に重要な役割を果たすと想定されるインベルターゼの阻害蛋白質であるインベルターゼインヒビターをコードすると予想される遺伝子配列を獲得した。この配列をクローニングし、大腸菌およびベンザミアナタバコで発現させた。この大腸菌から調製した粗タンパク質抽出液をヤセウツボ発芽種子より調製した粗酵素液に加えたところ、インベルターゼ活性が低下したことから、クローニングした遺伝子産物がインベルターゼインヒビターとして機能することを確認した。また、ベンザアナタバコで蛍光タンパク質との融合タンパク質として発現させたところ、このインベルターゼインヒビターはアポプラストに局在することが明らかになった。従って、このインベルターゼインヒビターを宿主の根の師管伴細胞などで発現させることで、根寄生雑草が宿主のスクロースをアポプラストでインベルターゼによって加水分解し自身に取り込む過程を阻害できると考えられた。 なお、残念ながらスーダンの内戦によりスーダン側研究者との実践的な研究連携は困難であった。
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