研究課題/領域番号 |
20KK0134
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
舘野 隆之輔 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 准教授 (60390712)
|
研究分担者 |
福澤 加里部 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (10456824)
龍見 史恵 北海道大学, 農学研究院, 特別研究員(PD) (30883417)
細川 奈々枝 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境変動研究センター, 契約研究員 (80821602)
|
研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2025-03-31
|
キーワード | 黄土高原 / ネットワーク解析 / 土壌微生物 / 緑化 / 根圏土壌 / 菌根菌 / 硝化 / 微生物機能群 |
研究実績の概要 |
本研究では、半乾燥地において、在来種の天然植生ではみられるが、従来の植栽地ではみられない土壌微生物群や機能群を特定し、さらに植物―微生物間の相互ネットワークのコアとなる微生物群や有機化合物を特定することで、荒廃地や放棄農地、従来の植栽地を在来種の天然植生へと誘導する次世代型の緑化技術の開発を目的としている。具体的には以下の課題について取り組む予定である。(A) 誘導目標としての多様な在来種が優占する天然植生に加え、外来種を用いた単一種による植栽地や荒廃地、農地において、それぞれコアとなる土壌の微生物群を特定するとともに、共生関係を含む根圏での有効な植物―微生物間の相互作用関係の全貌を明らかにする。(B) 在来種と従来の緑化種の根圏土壌での植物―微生物相互作用系が生態系機能に与えるメカニズムを明らかにする。(C) 有効な植物―微生物相互作用系を活用した新しい緑化手法を開発する。 令和2年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で渡航が難しく、現地で新しいサンプルを得ることが出来なかったが、これまで我々の研究グループで使ってきたNGS シーケンスデータ解析パイプラインを最新のものにアップデートするための検討を進めた。今後、新たなサンプルが得られたら、解析パイプラインを活用して、これまでに既に得られた微生物群集のデータに、新しい採取したサンプルを加えて、再解析を進める。また、調査に関連した文献や方法論の文献を調査し、現地での調査の準備を進めた。また、国内の森林で試料採取や分析の方法論の検討を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で渡航が難しく、予定していた調査地での研究打合せや新規調査を行うことが出来なかった。また、国内の森林で試料採取や分析の方法論の検討を進めることが出来た。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度も新型コロナウイルス感染症拡大の影響が残ると考えられるため、過去のプロジェクトで得たデータや公共データベース上のデータなどを活用し、主要な微生物群の特定を行う。さらに、現地に渡航できるようになった段階で、速やかに新たな調査地を設定できるように、オンライン会議システムなどを通して、海外研究協力者と綿密な打ち合わせを行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は、渡航が困難であったため、旅費や渡航に係る経費を使用しなかった。次年度の渡航のための旅費に充てる計画である。
|