研究課題/領域番号 |
20KK0148
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
安武 大輔 九州大学, 農学研究院, 准教授 (90516113)
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研究分担者 |
原田 裕一 九州大学, グローバルイノベーションセンター, 教授 (50393781)
三好 悠太 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 放射線生物応用研究部, 研究員(定常) (60855724)
日高 功太 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター, 主任研究員 (80547232)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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キーワード | Liquid Air / 局所冷却 / 複合環境調節 / CO2施用 / 超節水 / 温室 |
研究実績の概要 |
研究初年度であるR2年度は,まず研究メンバーで集まり研究の目的,計画,方法,役割をしっかりと体系的に理解・共有することとしていた.新型コロナの影響でメンバー全員が一堂に集まることは不可能であったが,オンライン会議システム(zoom)を利用して前述の目的を果たした.また,当初予定では年度内(令和3年2月)に次年度の計画に向けた打ち合わせのためにバーミンガム大学を訪問する予定であったが,これも新型コロナの影響で実施が出来ていない.これもオンライン会議システムを使ってバーミンガム大学Toby Peters教授と打合せは実施したが,現地の設備等を確認しながらの具体的な計画協議には至っておらず,次年度以降に急ぎ対応することが元止められる. 同時にLiquid Airを利用した温室内の局所冷却システムの在り方について,一部メンバー間(安武,原田,日高)でメールと対面での打ち合わせを開始した.とくにLiquid Airを直接配管によって作物近傍に分配する方式と,任意の場所で熱交換器(ファンコイルなど)によって冷風を創出し,その冷風を作物近傍に送り込む方式について検討した.それぞれのシステムにおいて一長一短が存在し,前者においては配管等の部材費を要するとともにその配管が温室における栽培業務に支障をきたし得ること,後者は創出した冷風は直ちに温室内で暖められ,その結果,温室内の空間全体の冷却が難しい可能性などについて検討した.これらの議論に基づいて,現在はシステム案を継続的に作成途中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該研究課題は秋に採択が決まり,それから年度内に国内の研究メンバーが一堂に介する打合せと一部メンバーがバーミンガム大学のToby Peters教授を訪問し,次年度以降の研究打合せを行う予定であった.しかしながら,新型コロナの影響によって,国内メンバーの対面での打合せ,さらにはバーミンガム大学への訪問も不可能となり,オンラインでの打ち合わせに留まった.とくにバーミンガム大学の訪問ができていないことから,現地の実験施設の視察や研究メンバーと十分な協議が出来ておらず,そのため長期滞在の研究に向けて準備が遅れていると判断せざるを得ない. 一方,Liquid Airを利用した温室内の局所冷却システムの案についてはメンバー間の打ち合わせによって作成段階に入っており,その点は進行状況がやや遅れているものの当初計画に沿って進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
世界的なコロナの状況が改善され次第,バーミンガム大学を直接訪問して,長期滞在研究に向けた調整・確認に取り掛かる.それまではオンライン会議を定期的に行うことによって,Peters教授,スタッフらとより具体的なプラン作成・共有に努める. また,前年度より取り組んでいるLiquid Airを利用した温室内の局所冷却システムの案作成について,なるべく早く方針を固めるとともに,数値流体力学シミュレーションを用いて冷却の効果を推定し,それに基づいてシステム案の改善作業を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
R2年度は前述のように国内メンバーの打合せとバーミンガム大学の訪問を計画していた.しかしながら,新型コロナの蔓延により海外出張はもちろん国内出張にも制限がかかり,これらに要する予算を年度内に使うことが出来なかった.その分の予算は次年度(R3年度)に持ち越し,新型コロナの状況が改善され次第,当初計画の迅速な遂行によって有効に使用したい.
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