研究課題/領域番号 |
20KK0150
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研究機関 | 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター |
研究代表者 |
鬼木 俊次 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 社会科学領域, 主任研究員 (60289345)
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研究分担者 |
平田 昌弘 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (30396337)
坂本 剛 名古屋産業大学, 現代ビジネス学部, 教授 (30387906)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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キーワード | 牧畜 / 社会規範 / 計量経済学 / 心理学 / 文化人類学 |
研究実績の概要 |
途上国の遊牧地域では市場経済の進展とともに都市周辺に遊牧民が集まり、その地域では家畜の過放牧による草原の砂漠化が起こりつつある。本研究は、モンゴル生命科学大学を研究拠点として、市場経済が遊牧民のモラル意識に及ぼす影響やコミュニティーの草原保全的な社会規範に及ぼす影響を計量的に推定する。また、分析結果を用いて、モラル意識の向上と社会規範形成のための介入の効果について検討する。 2020年度は、当初計画ではモンゴルの都市周辺で文化人類学の参与観察調査および経済学・心理学の予備調査を行う予定であった。しかし、モンゴルでも新型コロナウイルスが蔓延し、非常事態宣言やそれに準じる警戒態勢が発出されたため、研究拠点であるモンゴル生命科学大学への出張ができなかったばかりでなく、現地機関への委託による調査も困難となった。そのため、オンライン会議やメール等で連絡を取り合い、メンバー各自の専門分野に関する既存の文献レビューと研究の理論的検証を行った。また、それぞれの分野間の接続方法、全体の方向性、モデルの詳細、現地カウンターパートとの共同研究の方法、調査手法等について検討した。特に、分野間で用いる用語の定義の確認や調査の方法論について慎重に検討した。さらに、社会規範や個人の道徳的行動に関して、行動経済モデルや社会心理学モデルのレビューを行い、共通理解を深めた。それにしたがって、具体的な調査・実験計画や調査票の質問を立案しながら、モンゴル生命科学大学のカウンターパートの代表者と今後の調査方法に関して協議した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染の拡大のためモンゴルおよび日本国内での業務の一部が実施できなかった。モンゴルでは非常事態宣言に準じる警戒態勢が発出され、都市部のロックダウンおよび地方への交通が全面的に遮断された。そのため、予定していた予備調査が行えなくなった。しかし、オンライン会議やメール等を使って意見交換を行い、各自が実施可能な業務を行った。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度には、まず、モンゴルの研究チームとオンラインで研究の打ち合わせとオンラインの国際ネットワークの構築を行う。新型コロナウイルスの蔓延による渡航禁止が続く場合には、モンゴル生命大学への業務請負により社会心理学と行動経済学の現地調査を行う。文化人類学分野について文献調査を続ける。渡航禁止が解除されれば、各メンバーがカウンターパート研究者とともにモンゴル中部都市近郊地域において現地調査を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
モンゴルにおいて新型コロナウイルスが蔓延し、非常事態宣言が発出されたため、予定していたモンゴルでの事前調査を行うことができなかった。それに付随する調査費や物品費の支出ができなかった。また、国内での新型コロナウイルス蔓延の影響で出張による打ち合わせができなかった。 モンゴルへの渡航が可能になれば、現地調査のための出張旅費、現地調査費、調査関連の物品費等に充当する。もしモンゴルへの渡航が不可能な場合には、現地調査のための業務請負費に充当する。
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