研究課題
以下の4つの項目を2020年度から4年間の計画で遂行した。(1)植物内生菌、土壌微生物の最終単離(中国側が主導)長鎖対象地域として、未開拓薬用資源の宝庫、生物多様性ホットスポットとされる、中国南西部を選択した。(2)低分子化合物の単離構造決定、生物活性評価(中国側が主導)上述したカルチャー・コレクションについて、異なる培養条件下で二次代謝産物生産を詳細に検討し、微生物が生産する二次代謝産物とその生物活性を網羅的に解析した。(3)生合成マシナリーの解明と物質生産系の構築(日本側と中国側で同時進行)上述したカルチャー・コレクションで、有用な生物活性物質生産能を示した微生物について、バイオインフォマティクスの技術を駆使したゲノムマイニングにより、テルペン、ポリケタイド、ペプチドなど、生物間相互作用に重要な役割を演ずる可能性が予想される創薬シード合物の新奇生合成酵素遺伝子を網羅的に探索し、その生合成マシナリーの詳細を解明る。大腸菌や酵母、麹菌などを宿主として、これら遺伝子の異種発現による物質生産系を構築する。有機化学を基盤として、生合成反応機構の詳細を酵素遺伝子レベルで明らかにする。(4)酵素結晶構造解析、機能改変と生合成リデザイン(日本側が主導)X線結晶構造解析により、酵素反応の立体構造基盤を明らかにするとともに、結晶構造に基づく酵素触媒機能の拡張と最適化をめざす。さらなる構造多様性の拡大と物質生産系の構築を実現し、所望の構造を有する、天然物を凌ぐ新規有用活性物質の安定供給をめざした。最終年度も、質量ともに充実した研究成果をあげることに成功した。また、Enfumafungin抗生物質の生合成マシナリーの解明(JACS2024)、生薬クコの実(枸杞子)有効成分の生合成に関わる新奇配糖化酵素の構造機能解析(Nat Commun, in revision)など、共同研究成果が着実に多くの優れた共著論文に実りつつある。
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すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (19件) (うち国際共著 9件、 査読あり 19件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 5件、 招待講演 5件) 備考 (1件)
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