研究課題/領域番号 |
20KK0185
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
中尾 光善 熊本大学, 発生医学研究所, 教授 (00217663)
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研究分担者 |
長岡 克弥 熊本大学, 病院, 助教 (00759524)
古賀 友紹 熊本大学, 発生医学研究所, 助教 (30615092)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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キーワード | 胆管細胞癌 / エピゲノム / 遺伝子 / 代謝 |
研究実績の概要 |
タイ国の特定の地域では、寄生虫による胆管細胞癌(CCA)と糖尿病の合併例が多いことが報告されている。国際共同研究として、エピゲノム制御の観点からCCAの代謝特性を解明し、その分子病態に基づいた癌の診断・制御法の開発に迫ることを目的とする。癌細胞における代謝とエピゲノムのリプログラミング、HIF1aやMycによる代謝遺伝子の発現調節が注目されているが、その分子機序には不明な点が多い。本研究ではエピゲノム機構による代謝戦略の切り替えという、新たな観点から癌代謝を捉える。さらに、好気的解糖の結果生じる代謝物である乳酸が微小環境のアシドーシスを生じるとともに、エピゲノム制御による代謝リプログラミングを促進する観点から腫瘍生物学的な意義の解明を目指す。 具体的には、共同研究で樹立したCCA細胞株を用いて、高血糖と酸化ストレス(グルコースとROSのレベルが高い)の条件、あるいは、乳酸アシドーシスの条件において、遺伝子発現とエピゲノムの網羅的解析、エネルギー代謝動態、癌細胞の増殖・浸潤能などの解析を実施した。その結果、高血糖と酸化ストレスの状態において、細胞膜上で糖鎖切断に働くマンノシダーゼMAN2A2とクロマチン変換因子CHD8を介して胆管細胞癌の進展が促進される機序を見出して報告した。同様に、乳酸アシドーシスの状態における解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
胆管細胞癌のエピゲノムと遺伝子発現、代謝調節について、新知見を得ている。高血糖と酸化ストレス(グルコースとROSのレベルが高い)の状態において、MAN2A2とCHD8を介して胆管細胞癌の進展が促進される機序に関する最先端の研究成果が出ているため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、当初の計画以上に進展してきたため、今後も引き続き研究を推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
乳酸アシドーシスの条件下における胆管細胞癌のエピゲノムと遺伝子発現の網羅的解析、エネルギー代謝調節の解析が年度を跨いで継続するため。次年度にこの実験結果を得て、本研究を一層に推進するという、当初の計画通りに進んでいる。
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