研究課題/領域番号 |
20KK0191
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
和田 隆志 金沢大学, その他部局等, その他 (40334784)
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研究分担者 |
遠山 直志 金沢大学, 附属病院, 特任准教授 (50624871)
原 章規 金沢大学, 医学系, 准教授 (70507045)
大島 恵 金沢大学, 附属病院, 特任助教 (80802066)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2023-03-31
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キーワード | バイオマーカー / 糖尿病性腎臓病 / 国際共同研究 / 抗エリスロポエチン受容体抗体 / 糖尿病 |
研究実績の概要 |
糖尿病性腎臓病・糖尿病性腎症(腎症)による透析患者は世界的に増加し、病態解明と克服が求められている。腎症など糖尿病臓器合併症は予後と密接に関連するため、その病態解明と予後を反映するバイオマーカー確立は喫緊の課題である。このなかで、貧血は糖尿病臓器合併症の重要な進展関連因子である。特に腎不全に関連する貧血に対してエリスロポエチン製剤は広く投与される。一方、エリスロポエチン低反応性を示す例がみられる。この低反応例と臓器合併症とは関連が深いものの、その機序は不明である。本研究では、エリスロポエチン受容体(EPOR)に着目し、独自に開発した抗EPOR抗体を国際的糖尿病性腎臓病コホートの血液検体を用いて測定する。この基盤として、新規の抗EPOR抗体とその測定系を世界に先駆けて樹立してきた。この抗EPOR抗体は本邦の腎症例において約10%に陽性例がみられ、このエリスロポエチン低反応性と貧血に関連することを示してきた。本研究においては、国際的糖尿病性腎臓病コホートにおける本抗EPOR抗体測定結果をもとに、腎症はじめ、心・脳血管障害など全身臓器の予後、総死亡との関連を検討し、病態解析、国際比較を施行する。さらに、これまでの本邦コホートでの抗EPOR抗体解析結果と比較し、国際的な相互比較をもとにバイオマーカーとしての国際的な汎用性を含めた臨床的意義を検討する。以上、腎症に代表される糖尿病臓器合併症における抗EPOR抗体の新規国際的バイオマーカーとしての意義の確立を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和2年度は分析用のコントロール、必要な試薬の送付などにより準備を進めた。さらに、実施計画に基づく解析に向けて、臨床データとの突合による準備を整えた。しかしながら、コロナ禍により、海外研究機関に直接出向くことができなかった。令和3年4月より、研究協力者が海外研究機関に直接出向き、研究活動を開始することができた。今後は研究を一層加速できるように進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、抗EPOR抗体が腎症の予後や臨床病態を反映する国際的汎用性が高い新規バイオマーカーとなりうるか検討を行う。このため、血液検体、臨床データを保管する海外機関と共同で、国際的糖尿病コホートで得られた血液検体の抗EPOR抗体を測定する。その測定結果に基づき、臨床解析、病態・予後との関連を検討し、バイオマーカーとしての意義を確立する。この中で、すでに研究協力者が海外の研究機関に直接出向き研究活動を実施している。くわえて、これまでの本邦コホートでの抗EPOR抗体解析結果と比較し、国際的な相互比較をもとに、バイオマーカーとしての国際的な汎用性を含めた臨床的意義を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度は分析用のコントロール、必要な試薬の送付などにより準備を進めた。さらに、実施計画に基づく解析に向けて、臨床データとの突合による準備を整えた。これにより必要な物品等の支出は行った。しかしながら、本年度は、コロナ禍により、海外研究機関に直接出向くことができなかった。そのため、見込んでいた支出額より少なくなったため、次年度に繰り越すことを希望する。令和3年4月より、研究協力者が海外研究機関に直接出向き、研究活動を開始することができた。今後は研究を一層加速できるように進めていく予定である。
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