研究課題/領域番号 |
20KK0196
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
武田 憲彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (40422307)
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研究分担者 |
砂河 孝行 自治医科大学, 医学部, 講師 (40418637)
仙波 宏章 自治医科大学, 医学部, 客員研究員 (80747923)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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キーワード | 心臓病 / がん / 血管新生 / VEGF-A |
研究実績の概要 |
がんに対する化学療法は近年大きく進歩し、がん患者の予後を大幅に改善しています。一方で化学療法に伴って、心臓病や高血圧症など、いわゆるがん関連心臓病を発症することが多いことが判ってきました。このような背景から”Cardio-Oncology”と言う新たな融合学問領域が勃興し、がん関連心臓病の病態を解明することが世界的に強く求められています。血管新生は心臓病、がん、いずれの病態においても重要な役割を果たす生体応答として知られています。この中で血管内皮細胞増殖因子(Vascular endothelial cell growth factor-A, VEGF-A)は血管新生プロセスにおいて中心的な役割を果たしています。 本研究では循環器内科医である研究代表者とがん研究者であるZurich大学Stockmann教授が連携し、がん関連心臓病の病態解明を目指しています。本研究はVEGFAをはじめとして、がん治療で標的とされている分子に着目し、それらが心臓や血管系に果たしてる役割を明らかにします。研究代表者、分担者が実際にZurich大学を訪れ、Stockmann教授と共に研究に従事することで、がん関連心臓病の病態を理解し、その予防法開発へと繋げることを目指します。Stockmann教授との共同研究で、これまでに炎症細胞が産生するVEGF-Aが心機能の維持に重要な役割を果たしていることを示す知見が浮かび上がってきました。引き続きStockmann教授と共に遺伝子改変マウスを用いてアプローチすることで、がん関連心臓病の病態を明らかにしていきます。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響で、研究代表者・分担者がZurich大学へ赴き、実験を行うことが出来なかった。これによる研究の遅延を補うべく、Stockmann教授と密接に研究資材および情報共有を行い、研究計画の着実な遂行を目指している。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの感染状況を見極めつつ、本年度は研究代表者・分担者がZurich大学を訪れ、Stockmann教授と共に実験を行うことを計画している。これにより昨年度までの研究の遅延を取り戻すことが可能であると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響で一部の共同研究が遅延したために余剰金が生じた。余剰金については遅延した実験を補うために、次年度の試薬等として使用する予定である。
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