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2020 年度 実施状況報告書

肺癌オルガノイドの樹立効率向上と臨床での実用化

研究課題

研究課題/領域番号 20KK0202
研究機関神戸大学

研究代表者

眞庭 謙昌  神戸大学, 医学研究科, 教授 (50362778)

研究分担者 青井 貴之  神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 教授 (00546997)
法華 大助  神戸大学, 医学研究科, 特命講師 (80715459)
研究期間 (年度) 2020-10-27 – 2023-03-31
キーワード肺がん / オルガノイド / 癌浸潤 / 腫瘍血管新生 / 抗癌剤感受性試験
研究実績の概要

[目的] 「第1」に、鶏卵漿尿膜培養法を用い、我々が開発した人工肺癌幹細胞:induced lung cancer stem cell like cell (iLCSC)から樹立した人工肺癌オルガノイドを培養に供し、in vivoでの浸潤や血管新生を始めとする癌微小環境の表現型;phenotypeを分析し。鶏卵漿尿膜培養における人工肺癌オルガノイド研究の優位性を明らかにする。
[方法] レトロウイルスベクターを用いて、K-ras変異陽性の原発性肺腺癌細胞株であるA549細胞A549細胞に体細胞初期化因子(OCT 3/4, SOX2, KLF4)の導入を行い誘導型肺癌幹細胞(induced Lung cancer stem like cell; iLCSC)を作成し、ヒト臍帯静脈内皮細胞、ヒト間葉系幹細胞を混合培養し、人工肺癌オルガノイドを作成する。作成した人工肺癌オルガノイドを鶏卵の発育過程で生じる漿尿膜上で約1週間培養を行い、R N A抽出、組織固定標本を作成する。また超感度カメラを用いて血管新生をライブイメージングにより補足する。
[結果]鶏卵漿尿膜培養は、浸潤や血管新生を含む癌‐宿主相互作用を評価することが可能で、ヒトの癌病巣でみられる病態を模倣した現象を5日間で誘導できることが明らかになった。
[結論]鶏卵漿尿膜培養はオルガノイドの培養法として浸潤、転移に加え、腫瘍への血流というダイナミクスを観察できる実験系であると考えられた。実験手技も簡易で安価、短期間で癌‐宿主相互作用を観察できる本法はオルガノイド培養の新たな実験系になりうると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染拡大に伴う渡航制限により、国際共同研究の相手先であるトロント大学呼吸器外科・病理部へ赴いておこなう研究が十分に消化できていない。

今後の研究の推進方策

①浸潤、血管新生にかかる因子の解明:漿尿膜培養後の細胞からRNA、DNAを抽出し、トランスクリプトームをはじめとする、網羅的遺伝子解析を行う。その結果から浸潤や血管新生に関わる因子を同定する。
②臨床肺癌検体を用いた実験:臨床肺癌検体を漿尿膜培養した報告は今までない。臨床肺癌検体でも本年度と同様の実験を行い、人工肺癌オルガノイドを移植した実験との違いを比較する。
③化学療法感受性試験の最適化:本年度の化学療法感受性試験は漿尿膜自体も障害されてしまう結果となった。この結果を踏まえ、シスプラチンの濃度の最適化や、漿尿膜内の血管に投与する等、異なった投与方法を検討し、より最適な化学療法感受性試験の確立を目指す。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染拡大に伴う渡航制限により、国際共同研究の相手先であるトロント大学呼吸器外科・病理部への渡航、研究実施ができなかったため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 鶏卵漿尿膜培養による肺癌オルガノイドの浸潤、血管新生能の評価2020

    • 著者名/発表者名
      三浦賢仁、青井貴之、小柳三千代、眞庭謙昌
    • 学会等名
      第73回日本胸部外科学会定期学術集会

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公開日: 2021-12-27  

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