研究課題/領域番号 |
20KK0208
|
研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
森田 明夫 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (60302725)
|
研究分担者 |
村井 保夫 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (30287750)
青木 友浩 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (40633144)
大継 將寿 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (40803086)
亦野 文宏 日本医科大学, 医学部, 講師 (70557511)
白銀 一貴 日本医科大学, 医学部, 助教 (70573236)
|
研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2025-03-31
|
キーワード | Subarachnoid hemorrhage / Oral bacteria / Intersitinal flora / Ruputre risk / Intracranial aneurysm / Finland / Swiss / International study |
研究実績の概要 |
本年、共同研究施設であるスイス、ジュネーブ大学およびフィンランド タンペレ大学 脳神経外科を研究代表者森田が訪問し症例登録データベースの内容と試料採取の手順の再確認を行った。さらにジュネーブ大学細菌学主任から試料の解析方法について指導を得た。ジュネーブ大学が中心で進めている欧州の脳動脈瘤データベースへのアクセス権を認可してもらい、欧州データベースと日本の脳卒中data bankのくも膜下出血群の情報との比較検討を実施している。ジュネーブ大学では症例の集積と試料採取を開始した。タンペレ大学では現地の歯科細菌学専門のM Pyssalo教授との連携にて歯の細菌データの解析を共同で行うことに同意した。現在日本医科大学および上記2大学間での相互大学間での情報共有提携契約書を準備中である。日本での口腔内細菌及び腸内細菌データの一次解析結果と脳動脈瘤の国際研究の重要性はスイス、欧州、サウジアラビアなどの国際学会で発表し、注目を集めている。特にくも膜下出血の腸内細菌のうち比較的頻度が高く出現するものの中で口腔内細菌で病原性を有するものが多く発見されていることは注目すべき結果であると考えられる。細菌は非常に種類が多く、さまざまな症例因子(年齢、性別、肥満度、合併症、食生活、さらに人種、居住地域)などに影響され、その上で3症例群(くも膜下出血、未破裂脳動脈瘤、対照群)の中での相違を抽出する作業は、非常に困難を極める。細菌学専門家を含め多くの研究班外の専門家の助力を得ながら解析を進めている。今後集積した日本、フィンランド及び欧州の検体は2024年度に解析を実施して、症例の特徴(特に生活習慣や合併症など)の相違、口腔・腸内の細菌叢の相違を検証する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の流行により海外への渡航制限が2022年まで続き,代表研究者による共同研究施設訪問による研究計画の推進及び実施が滞ったため計画が2年遅れとなっている。
|
今後の研究の推進方策 |
現在スイス及びフィンランドで蓄積中の海外症例(くも膜下出血例10、未破裂脳動脈瘤10, 対照症例10例)30症例ずつ及び日本の同症例群の症例情報(特に生活習慣や合併症)、採取試料からの口腔及び腸内細菌の16sRNA法を用いた同定解析比較を行う。同時に日本の症例群で見出されたくも膜下出血及び脳動脈瘤に特徴的な腸内細菌(門及び種)がどの程度海外症例に認められるかを検証する。細菌叢の対比及び生活習慣などの患者情報の相違から、日本人で脳動脈瘤が欧州症例より破裂をきたしやすい因子となりうるものがあるかを明らかとする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究全体の遅れにより共同研究グループの症例・検体集積の開始が遅れたため、解析を開始できていないため、2024年度に解析を実施したいため。
|