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2023 年度 実施状況報告書

チェルノブイリ放射線誘発甲状腺がんの遺伝子バンク設立と分子遺伝疫学国際共同研究

研究課題

研究課題/領域番号 20KK0217
研究機関長崎大学

研究代表者

光武 範吏  長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (50404215)

研究分担者 中沢 由華  名古屋大学, 環境医学研究所, 講師 (00533902)
伊東 正博  独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター), 臨床検査科, 病理医 (30184691)
酒匂 あやか  長崎大学, 病院(医学系), 医員 (60884187)
研究期間 (年度) 2020-10-27 – 2025-03-31
キーワード甲状腺癌 / 放射線
研究実績の概要

本研究の目的は、放射線誘発癌の発癌メカニズム、特に放射線によって発癌しやすい遺伝的背景(体質・個人差)を明らかにするために、 チェルノブイリ原発事故後の放射線誘発小児甲状腺癌症例に加え、比較対象となる追加症例を収集し、次世代ゲノム解析を行うものである。また、甲状腺癌の病理組織学的分類には様々な変更が加えられ、当時の病理診断を検証する必要がある。
ロシアによるウクライナ侵攻は収束せず、2023年度も、外務省から隣国ベラルーシへも渡航中止勧告は継続して出されたままであり、2023年度も一度も渡航することはできなかった。その中で、長年の共同研究関係にあるミンスク市がんセンターの医師らとの連絡はとりつつ、新規試料の収集は進めていただいていた。また、さらにこの年は39例の散発性小児癌、16例の兄弟姉妹の試料を輸送することができた。
次世代ゲノム解析に関しては、兄弟姉妹例は優先順位が高く重要であるため、その中から選択した症例に対して全ゲノム解析を行なった。また、2023年度はコントロール(被ばくしたと考えられるが、癌を発症しなかった健常者)を中心とした解析を行なった。当初は解析数を増やすため、深度・カバレッジを減らしてシークエンシングを行うことも検討したが、本研究では貴重な試料を扱っているため、今後のためにも高精度なデータとした方が良いと考え、平均カバレッジ30を基本としたデータ取得を行なった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2023年度も渡航することができず、少数の試料収集は出来たものの、今後も試料の追加は厳しいことが予想されている。

今後の研究の推進方策

ロシアのウクライナ侵攻が解決され、渡航や試料収集が可能となれば、速やかに活動を再開できるよう、準備を進めつつ、現在保有する試料を用い、本研究期間だけでなく、その後の将来に有用な解析データの取得を行なっていく。

次年度使用額が生じた理由

渡航のための費用として使うことができなかったことと、解析手法の検討のため。次年度は追加の解析や解析結果の検証のために使う予定である。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件)

  • [国際共同研究] ミンスク市がんセンター(ベラルーシ)

    • 国名
      ベラルーシ
    • 外国機関名
      ミンスク市がんセンター
  • [国際共同研究] ウクライナ内分泌代謝研究所(ウクライナ)

    • 国名
      ウクライナ
    • 外国機関名
      ウクライナ内分泌代謝研究所
  • [雑誌論文] Characteristics and immune checkpoint status of radioiodine-refractory recurrent papillary thyroid carcinomas from Ukrainian Chornobyl Tissue Bank donors2024

    • 著者名/発表者名
      Bogdanova Tetiana、Rogounovitch Tatiana I.、Zurnadzhy Liudmyla、Mitsutake Norisato、Tronko Mykola、Ito Masahiro、Bolgov Michael、Chernyshov Serhii、Gulevatyi Serhii、Masiuk Sergii、Yamashita Shunichi、Saenko Vladimir A.
    • 雑誌名

      Frontiers in Endocrinology

      巻: 14 ページ: 1343848

    • DOI

      10.3389/fendo.2023.1343848

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] TERT promoter mutations in thyroid cancer2023

    • 著者名/発表者名
      Matsuse Michiko、Mitsutake Norisato
    • 雑誌名

      Endocrine Journal

      巻: 70 ページ: 1035~1049

    • DOI

      10.1507/endocrj.EJ23-0136

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Radiation-Related Thyroid Cancer2023

    • 著者名/発表者名
      Saenko Vladimir、Mitsutake Norisato
    • 雑誌名

      Endocrine Reviews

      巻: 45 ページ: 1~29

    • DOI

      10.1210/endrev/bnad022

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 放射線誘発と散発性甲状腺癌における発現遺伝子の差異2023

    • 著者名/発表者名
      原川 康太郎, Vladimir SAENKO, 光武 範吏
    • 学会等名
      日本放射線影響学会第66回大会
  • [学会発表] Primary tumors and recurrent radioiodine-resistant metastases of PTC have highly concordant immune checkpoint status2023

    • 著者名/発表者名
      V.Saenko, Т.Rogounovitch, L.Zurnadzhy, M.Ito, M.Bolgov, S.Chernyshov, S.Gulevatyi, S.Masiuk, M.Tronko, S.Yamashita, N.Mitsutake, T.Bogdanova
    • 学会等名
      第66回日本甲状腺学会学術集会
  • [学会発表] Expression of PD-L1 and PD-1 in poorly differentiated thyroid carcinoma as a means of selecting patients for immunotherapy2023

    • 著者名/発表者名
      T.Rogounovitch, M.Fridman, T.Leonava, V.Kondratovitch, N.Mitsutake, V.Saenko
    • 学会等名
      第66回日本甲状腺学会学術集会
  • [学会発表] 甲状腺乳頭癌の高度悪性化を抑制するTERT mRNAのスプライシングバリアント2023

    • 著者名/発表者名
      酒匂 あやか, 松瀬 美智子, サエンコ ウラジミール, 川上 純, 光武 範吏
    • 学会等名
      第96回日本内分泌学会学術総会
  • [学会発表] 甲状腺乳頭癌の悪性度を規定するTERT mRNAのスプライシングバリアント2023

    • 著者名/発表者名
      光武 範吏
    • 学会等名
      第35回日本内分泌外科学会総会
  • [学会発表] 甲状腺癌の悪性度と関連する遺伝子異常2023

    • 著者名/発表者名
      光武 範吏
    • 学会等名
      第62回日本臨床細胞学会秋期大会
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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