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2020 年度 実施状況報告書

予測困難な動的環境における自律移動エンティティを活用した持続可能な分散システム

研究課題

研究課題/領域番号 20KK0232
研究機関大阪大学

研究代表者

増澤 利光  大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (50199692)

研究分担者 片山 喜章  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10263435)
金 鎔煥  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50756773)
中村 純哉  豊橋技術科学大学, 情報メディア基盤センター, 准教授 (60739746)
首藤 裕一  大阪大学, 情報科学研究科, 助教 (50643665)
柴田 将拡  九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 助教 (10806095)
研究期間 (年度) 2020-10-27 – 2025-03-31
キーワード分散システム / 分散アルゴリズム / 動的ネットワーク / 移動エージェント / 移動ロボット
研究実績の概要

予測困難で多様なダイナミクスにかかわらず安定動作する持続可能な高信頼分散システムを実現するために,大規模動的ネットワークにおける自律移動エンティティを活用した高信頼分散アルゴリズムの設計法の確立を目指す.これまでに,以下の研究テーマに取り組み,いくつかの研究成果を得た.
(テーマ1)予測困難で多様なダイナミクスに対する自律移動エンティティ群の適応性を実現するための,新たな分散アルゴリズム技法の開発:・自律移動エージェントに関しては,動的リングや動的トーラスなどの動的ネットワークを始めとする多様なネットワーク環境を対象とし,ネットワーク探索(全ノードを訪問する),集合(全エージェントあるいは一部のエージェントを1ノードに集合させる),分散配置(エージェントを異なるノードに(均一に)配置する)等の基本かつ重要なタスクについて,新たな分散アルゴリズムを開発した.・自律移動ロボットに関しては,グリッドや三角グリッドを対象に,領域からの避難および集合タスクについて,新たな分散アルゴリズムを開発した.・受動的移動を行う多数の移動エンティティで構成される個体群に関しては,リングでのリーダ選出という最も基本的な問題に対し,環境の変化に自律的に対応できる,新たな自己安定アルゴリズムを提案した.
(テーマ2)さまざまな自律移動エンティティ群の異なる計算モデル間の知見の相互活用を可能とする技法の開発:リングやグリッドにおける自律移動エージェント,自律移動ロボットそれぞれについて,異なる仮定が避難や集合などのタスクの実現可能性や効率に与える影響を解明した.また,テーマ1のアルゴリズム設計において,異なる計算モデルでの仮定やアルゴリズム手法の活用を検討し,また,提案アルゴリズムの異なるモデルへの適用可能性について検討した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新型コロナウイルスの影響でフランスへの渡航は行わなかったが,国内で以下の研究テーマに対する取り組みを行い,「5.研究実績の概要」に述べたように,一定の成果を上げることができた.そのため,おおむね順調に進展していると考えている.
(テーマ1)予測困難で多様なダイナミクスに対する自律移動エンティティ群の適応性を実現するための,新たな分散アルゴリズム技法の開発
(テーマ2)さまざまな自律移動エンティティ群の異なる計算モデル間の知見の相互活用を可能とする技法の開発

今後の研究の推進方策

予測困難で多様なダイナミクスにかかわらず安定動作する持続可能な高信頼分散システムを実現するために,大規模動的ネットワークにおける自律移動エンティティを活用した高信頼分散アルゴリズムの設計法の確立を目指す.具体的には,当初の計画通り,以下の研究テーマに取り組む.テーマ3については,テーマ1,2の成果を踏まえて実施するものであり,当初予定では2023年度から取り組むこととしていたが,テーマ1,2の進捗が順調であり,研究開始時期を前倒しにすることを検討している。
(テーマ1)予測困難で多様なダイナミクスに対する自律移動エンティティ群の適応性を実現するための,新たな分散アルゴリズム技法の開発
(テーマ2)さまざまな自律移動エンティティ群の異なる計算モデル間の知見の相互活用を可能とする技法の開発
(テーマ3)テーマ1,2の成果を大規模動的ネットワークにおける自律移動エンティティを活用した高信頼分散アルゴリズムの基盤技術として確立
2021年度からは,国内研究者がフランス・ソルボンヌ大学を訪問・滞在し,実証実験などの共同研究を進める.また,フランスの共同研究者の招へいも行う.ただし,新型コロナウイルスの状況によっては,渡仏・来日の予定を変更する可能性がある.

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルスのまん延のために,研究打合せ・研究成果発表のための出張がほとんどできず,旅費約45万円が次年度使用となった.また,シミュレーション実験などの研究補助を予定していた学生がほとんど大学に出てこれなかったため,設備備品・消耗品に使用予定の物品費約80万円が次年度使用となった.
次年度は,当初予定通り,2名がフランス・ソルボンヌ大学を訪問・滞在し,また,フランスの共同研究者1名を招へいして,シミュレーション実験を含めた共同研究を進める.フランスの共同研究者の招へいに合わせて研究打合せを実施する.これらのために,次年度使用額を使用する予定である.ただし,新型コロナウイルスの状況によっては,渡仏・来日の予定を変更する可能性がある.

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 7件)

  • [雑誌論文] Exploration of dynamic tori by multiple agents2021

    • 著者名/発表者名
      Gotoh Tsuyoshi、Sudo Yuichi、Ooshita Fukuhito、Kakugawa Hirotsugu、Masuzawa Toshimitsu
    • 雑誌名

      Theoretical Computer Science

      巻: 850 ページ: 202~220

    • DOI

      10.1016/j.tcs.2020.11.004

  • [学会発表] Gathering with a strong team in weakly Byzantine environments2021

    • 著者名/発表者名
      Jion Hirose, Masashi Tsuchida, Junya Nakamura, Fukuhito Ooshita, Michiko Inoue
    • 学会等名
      International Conference on Distributed Computing and Networking (ICDCN)
    • 国際学会
  • [学会発表] Gathering of seven autonomous mobile robots on triangular grids2021

    • 著者名/発表者名
      Masahiro Shibata, Masaki Ohyabu, Yuichi Sudo, Junya Nakamura, Yonghwan Kim, Yoshiaki Katayama
    • 学会等名
      Workshop on Advances in Parallel and Distributed Computational Models (APDCM)
    • 国際学会
  • [学会発表] Time-optimal self-stabilizing leader election on rings in population protocols2020

    • 著者名/発表者名
      Daisuke Yokota, Yuichi Sudo, Toshimitsu Masuzawa
    • 学会等名
      International Symposium on Stabilization, Safety, and Security of Distributed Systems (SSS)
    • 国際学会
  • [学会発表] Efficient dispersion of mobile agents without global knowledge2020

    • 著者名/発表者名
      Takahiro Shintaku, Yuichi Sudo, Hirotsugu Kakugawa, Toshimitsu Masuzawa
    • 学会等名
      International Symposium on Stabilization, Safety, and Security of Distributed Systems (SSS)
    • 国際学会
  • [学会発表] Uniform Deployment of Mobile Agents in Dynamic Rings2020

    • 著者名/発表者名
      Masahiro Shibata, Yuichi Sudo, Junya Nakamura, Yonghwan Kim
    • 学会等名
      International Symposium on Stabilization, Safety, and Security of Distributed Systems (SSS)
    • 国際学会
  • [学会発表] Partial Gathering of Mobile Robots from Multiplicity-Allowed Configurations in Rings2020

    • 著者名/発表者名
      Masahiro Shibata, Sebastien Tixeuil
    • 学会等名
      International Symposium on Stabilization, Safety, and Security of Distributed Systems (SSS)
    • 国際学会
  • [学会発表] Evacuation fram a Finite 2D Square Grid Field by a Metamorphic Robotic System2020

    • 著者名/発表者名
      Junya Nakamura, Sayaka Kamei, Yukiko Yamauchi
    • 学会等名
      International Symposium on Computing and Networking (CANDAR)
    • 国際学会

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公開日: 2021-12-27  

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