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2021 年度 実施状況報告書

人の学習を対象とした知能増強に関する国際共同研究

研究課題

研究課題/領域番号 20KK0235
研究機関大阪府立大学

研究代表者

黄瀬 浩一  大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80224939)

研究分担者 石丸 翔也  大阪府立大学, 研究推進機構, 客員研究員 (10788730)
岩田 基  大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70316008)
研究期間 (年度) 2020-10-27 – 2023-03-31
キーワード知能増強 / 学習増強 / センシング / アクチュエーション / 処方箋 / EdTech
研究実績の概要

本研究は、日独仏豪の4ヶ国が協力し、人の学習を補助する人工知能技術(我々が学習増強と呼ぶもの)を開発するものである。研究申請時にはCOVID19の影響が早期に収束すると仮定して、相互訪問により実験を実施、相互比較を行うことによって、技術の有効性についての、共通性や相違点について検討することを計画していた。ところが、予測以上の悪影響が長引いたことで、2021年度終わりまでで一切、相互訪問を実施することができなかった。
そこで本研究では、方法論を一部見直して、まず、COVID19の影響下でも実験可能な環境を整えることを目標とした。具体的には、研究室に来ることを前提とした各種センサを用いた実験から、スマートフォンベースで各自の自宅で実施できる実験へと方向性を見直した。そのための方策として、以下を実施した。
(1)スマートフォンで実験実施できる環境を整えること。具体的には英語学習を対象として、未知語の推定やその暗記支援などの環境構築を行った。
(2)研究室のように統制のとれた環境ではなく、より実際に近い環境(いわゆるin-the-wild環境)でデータ取得を行う方法論についての検討。
これらに加えて、年度末に3日間、オンラインでのワークショップを実施した。また、研究開始当初から計画していたDagstuhlセミナー(代表者は豪のTilman博士)について、漸く実施の目処を立てることが可能となった。この報告書を記載する時点で、既にセミナーは終了しており、アクチュエーションの技術についての議論を深めることが可能となった。また、その直前にドイツとフランスを訪問し、研究の現状についての情報交換、ならびに今後の研究の進め方について、合意を得ることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究計画は、計画当初は相互訪問を基軸として、共同研究を進めていく方針であった。ところが、COVID19の影響により、研究開始当初から2021年度の終わりまで、一切、相互訪問ができなかったほか、各国での学生の登校制限などの影響で、実験も十分できていない状況であった。その中にあっても、可能な方法として、スマートフォンアプリケーションの作成などに取り組み、2022年度の国際会議で発表するなど、一定の成果を挙げることができた。ただし、国際的に相互比較が可能な実験には至っていないため、やや遅れているという区分とした。

今後の研究の推進方策

COVID19の状態推移にもよるが、前述の通り、2022年度最初に渡航を実施し、一定の成果を得ることができた。今後は、より積極的に国際交流を進めて、実験を実施することを計画している。具体的には、
(1) 日本から各国への訪問:研究者ならびに学生がドイツ、フランス、オーストラリアを訪問し、実験に取り組む。既に、本学の学生2名が1年間の計画でドイツに留学しており、現在、実験の準備を進めているところである。
(2) 各国から日本への訪問:逆に各国から日本への訪問も促進する。既に博士課程研究員に対して短期滞在を補助する制度に、フランスの博士課程学生が申請している。これが承認されれば、今秋にも1名学生が数ヶ月の滞在を実施する予定である。その他、ドイツからは6月に訪問を予定しているほか、フランス、オーストラリアともに日程調整の上で招聘したいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

報告書に記載のとおり、2021年度は相互派遣が一切実施できなかったために、差額が生じた。2022年度には、積極的に相互派遣を行い、研究を推進する予定である。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件、 招待講演 3件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [国際共同研究] German Research Center for AI(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      German Research Center for AI
  • [国際共同研究] University Paris-Saclay(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      University Paris-Saclay
  • [国際共同研究] University of Melbourne(オーストラリア)

    • 国名
      オーストラリア
    • 外国機関名
      University of Melbourne
  • [雑誌論文] Obtaining Labels for In-the-Wild Studies: Using Visual Cues and Recall2022

    • 著者名/発表者名
      Vargo Andrew、Ishimaru Shoya、Islam Md. Rabiul、Tag Benjamin、Kise Koichi
    • 雑誌名

      IEEE Pervasive Computing

      巻: 21 ページ: 9~17

    • DOI

      10.1109/MPRV.2021.3129500

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Confidence Estimation via Wrist Movement2021

    • 著者名/発表者名
      Tanaka Seiya、Vargo Andrew W.、Iwata Motoi、Kise Koichi
    • 雑誌名

      Proceedings of the 2021 ACM International Joint Conference on Pervasive and Ubiquitous Computing

      巻: 1 ページ: 76-77

    • DOI

      10.1145/3460418.3479286

    • 査読あり
  • [学会発表] 腕の動きとWebカメラを用いた英語問題の確信度推定2022

    • 著者名/発表者名
      田中 勢也, Andrew W. Vargo, 黄瀬 浩一
    • 学会等名
      2022年 電子情報通信学会 総合大会
  • [学会発表] スマートフォンを用いた読書活動データからの未知単語推定2022

    • 著者名/発表者名
      東村 理功,岩田 基,黄瀬 浩一
    • 学会等名
      2022年 電子情報通信学会 総合大会
  • [学会発表] マルチメディアVocabulometerによる動画の字幕を利用した英単語学習2022

    • 著者名/発表者名
      山口 航平, 岩田 基, Andrew Vargo, 黄瀬 浩一
    • 学会等名
      情報処理学会教育学習支援情報システム研究会
  • [学会発表] Reading of "Reading" for "Actuating": Augmenting Human Learning by "Experiential Supplements"2022

    • 著者名/発表者名
      Koichi Kise
    • 学会等名
      Workshop on Words/Machines #4
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Reading of "Reading" for "Actuating": Augmenting Human Learning by "Experiential Supplements"2022

    • 著者名/発表者名
      Koichi Kise
    • 学会等名
      The 3rd International Conference on Activity and Behavior Computing
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Confidence Estimation via Wrist Movement2022

    • 著者名/発表者名
      Seiya Tanaka, Andrew W. Vargo, Motoi Iwata, Koichi Kise
    • 学会等名
      2021 ACM International Joint Conference on Pervasive and Ubiquitous Computing
    • 国際学会
  • [学会発表] Beyond Camera-Based Document Analysis and Recognition: Towards Camera-Based Human Document Interactions2021

    • 著者名/発表者名
      Koichi Kise
    • 学会等名
      International Workshop on Document Analysis Systems
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会・シンポジウム開催] International Workshop on Learning Cyclotron2022

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公開日: 2022-12-28  

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