研究課題/領域番号 |
20KK0235
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
黄瀬 浩一 大阪公立大学, 大学院情報学研究科, 教授 (80224939)
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研究分担者 |
石丸 翔也 大阪公立大学, 研究推進機構, 客員研究員 (10788730)
岩田 基 大阪公立大学, 大学院情報学研究科, 准教授 (70316008)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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キーワード | 知能増強 / 学習増強 / センシング / アクチュエーション / 限定的有効性 |
研究実績の概要 |
人の学習能力を技術で増強することによって学習を容易にしたい.知力や集中力,忍耐力に富んだ理想的な学習者ではなく,やる気にムラがあって,なかなか始められず,すぐに離脱してしまうような,どこにでもいる学習者を助けたい.このような動機で本研究は計画されている.本研究では,学習における知能増強(Intelligence Augmentation) の分野(学習増強と呼ぶ)に関するものであり,新しい学習の枠組を提案すると共に,国際共同研究によって有効性を実証するものである.今年度の実績としては、以下の3点が挙げられる。 (1) オーストラリアとの共同実験に用いるためのスマートフォンアプリケーションの構築。具体的には、単語の学習を行ったり、その成果をシェアしたりするためのアプリケーションを開発した。 (2) フランスとの共同研究として、英文音読による未知単語推定手法を提案し、実験により有効性を検証した。推定手法としては、音声解析(フランス)と視線解析(日本)を合わせたものとなっている。 (3) ドイツとの共同研究として、プログラミング学習時に、問題解決に有効なヒントをインターネットから得る行動の解析とその分類を行った。具体的なタスクとしては、ワードクラウドを作成するタスクを実験参加者に与えて、参加者の検索ログを解析した。 以上の成果は、当初の研究の目的に合致するものであるが、COVIDの影響などにより、終了に至ることはできなかった。特に(1)については、実験を行えていない点が課題として残る。そのため、これらの成果をもとに2023年度に最終的な実験を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID19の状況が好転することを期待して実験を計画していたが、前期はそのような状況にはなく、実験を実施することができなかった。後期には改善が見受けられたが、国際共同研究相手先のオーストラリアで、実験参加者として期待していた留学生(特に中国人留学生)が十分戻ってきておらず、渡航をして実験を実施するに至らなかった。そのため、実験の方法と実験に用いるスマートフォンアプリケーションの開発を中心に行った。 一方で、ドイツ人工知能研究センター、フランスLIMSI-CNRSとの共同研究については、十分とは言えないまでも、相互に1回ずつ渡航し、研究を進めることができた。さらにフランスからは、3ヶ月間、先方のPh.D.学生が本学に滞在し、勢力的に実験を進めた。ただし、このケースを除いては、インターネットを介した研究の打合せと実施が中心であったため、必ずしも当初、計画したほど密な実験を行うことはできたとはいえない。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度には、学生を含めた研究者がオーストラリア、ドイツ、フランスに積極的に渡航して、実験を行う予定である。幸い、COVID19の影響も収束しつつあり、渡航に関する障害は以前と比べて十分低い状況にあると思われる。 特に、今年度は、学習者間で互いに学習をエンカレッジするための、peer pressureに関する国際比較研究を実施する予定である。これにより、各国での学生の振る舞いの違いや、その際に有効となる介入方法が明らかになるものと期待している。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID19の影響で、2022年度に計画していたオーストラリアとの共同実験が実施できなかったために、これを2023年度に延期するために差額が生じた。
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