研究課題/領域番号 |
20KK0237
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
市井 和仁 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 教授 (50345865)
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研究分担者 |
山本 雄平 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 特任助教 (30845102)
吉岡 博貴 愛知県立大学, 情報科学部, 教授 (40332944)
小畑 建太 愛知県立大学, 情報科学部, 講師 (80758201)
松岡 真如 高知大学, 教育研究部自然科学系農学部門, 准教授 (50399325)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2023-03-31
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キーワード | リモートセンシング / 陸域環境 / 静止衛星 / 日米 |
研究実績の概要 |
本年度は、日本の静止気象衛星であるひまわり8号データを用いた解析を進めた。ひまわり8号データは、千葉大学環境リモートセンシング研究センター公開のデータセットを利用し、大気中エアロゾル、水蒸気、オゾンの濃度データを準備し、大気放射伝達コードである6Sを用いて日本域を対象として地表面反射率を推定した。さらには、JapanFlux, AsiaFlux, OzFluxなどのタワー観測による大気-陸域の熱・水・炭素交換量データセットを収集し、ひまわり8号データの検証用に整備した。雲域推定のアルゴリズムは既存のYamamoto et al. (2018)に基づき、構築した。推定された地表面反射率のデータセットについては、日本域を対象として、地上分光観測データやMODISセンサプロダクトのような既存の衛星観測プロダクトを利用して相互比較を行い、推定された地表面反射率が妥当であることを示した。また衛星観測プロダクト間の地表面反射率の相互比較においては、静止軌道衛星と従来型の極軌道衛星の軌道の違いによる観測条件の違いを補正すると両者の反射率がよく一致することを示した。さらに、データの応用研究として、オーストラリアにおいて地表面温度を推定し、猛暑日と通常日の間で、地表面温度が20℃以上の差を示すことが明らかになり、今後はこれらデータをも利用したモデルによる光合成量の推定などの応用面での期待を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍の状態により、米国の共同研究相手先への滞在を通した共同研究は実施できなかったものの、オンラインでの打合せなどを通して、一定の進捗をしている。米国側の書類アルゴリズムとの比較は、訪問が実現しなかったためにできなかったものの、代替としてひまわり8号の解析を中心として、研究を進めてきた。
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今後の研究の推進方策 |
まず、ひまわり8号データセットに対して、大気補正処理をフルディスク(画像全域)で行う予定である。一方で、米国の静止気象衛星データについては、ひまわり8号と同様に大気補正などを行うことで、日米の均質なデータを構築する。極軌道衛星データとの相互比較によりひまわり8号と米国静止衛星データが均質になるようなデータセットを構築し、光合成量など地表面の状況を把握できるようにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度はコロナ禍の影響で相手国への渡航ができる状況ではなく、予定されていた海外への滞在を中心とする旅費の支出がなくなったため。次年度はコロナ禍の状況によるものの、積極的に相手先へ滞在する予定である。
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