研究課題/領域番号 |
20KK0244
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
金田一 智規 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (10379901)
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研究分担者 |
MOJIRI AMIN 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (50882627) [辞退]
押木 守 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (90540865)
粟田 貴宣 大阪工業大学, 工学部, 講師 (80724905)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2025-03-31
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キーワード | 海洋性アナモックス細菌 / 閉鎖循環式陸上養殖 / 窒素除去 |
研究実績の概要 |
本研究は、閉鎖循環式陸上養殖の普及・安定化・低コスト化の上で課題であった窒素排水処理を克服するために、塩分環境下で活性のある海洋性アナモックス細菌を用いた排水処理プロセスを導入した次世代型陸上養殖システムをスウェーデン養殖研究センター(ヨーテボリ大学)と共同で開発することである。具体的には、(1)海洋性アナモックス細菌の大量培養方法の確立、(2)前処理として部分硝化を組み込んだアナモックスリアクターの開発、(3)閉鎖循環式陸上養殖の循環海水を対象とした窒素排水処理の最適化と検証を行う。助成期間全体を通して得られた成果を以下に示す。 海洋性アナモックス細菌の培地成分として添加している微量金属元素に着目し、それらの種類および濃度を変えて連続式でのアナモックス活性試験を行ったところ、いずれの実験系においても海洋性アナモックス細菌の活性に差は見られなかった。一方、同じく培地成分として添加しているリンに着目し、リン濃度を変化させて連続式でのアナモックス活性試験を行ったところ、培地中リン濃度よりも低いリン濃度の系および高いリン濃度の系においてアナモックス活性の低下が見られた。 アンモニアのみを添加した人工海水を用いて海洋性アナモックス細菌のバイオマスを植種源とした部分硝化リアクターを立ち上げたところ、流入するアンモニアの約半量を亜硝酸へ酸化させることに成功した。 閉鎖循環式陸上養殖の循環飼育水を適用するにあたり、高濃度に含まれる硝酸に対する影響を調査した。その結果、循環飼育水に最大100 mg/L含まれる硝酸を添加した模擬飼育水を通水してもアナモックス活性の低下は見られなかった。さらに硝酸濃度を1600 mg/Lまで上昇させてもアナモックス活性の低下は見られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度に研究代表者および研究分担者でヨーテボリ大学を訪問し、実験設備の視察を行い、今後の研究の方向性について議論できた。現在では3つの研究機関で海洋性アナモックス細菌の集積培養系を保持しており、それぞれ別の実験を並行して進めてきたことを確認できた。今後も平行して実験を進めることになった。
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今後の研究の推進方策 |
培地成分として添加している微量金属元素とリンに着目し、海洋性アナモックス細菌の増殖に与える影響を放射性同位元素および定量PCR法を用いて把握する。部分硝化については研究分担者の研究室において、人工飼育水を用いて、より低濃度のアンモニア含有排水の処理特性について検討する。また、ヨーテボリ大学ではパイロットスケールの閉鎖循環式陸上養殖および実養殖施設からの排水を用いたアナモックス活性試験を行う。これにあわせてヨーテボリ大学へ渡航を計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究上の遅れは生じていないが、コロナ禍により研究開始初期には外国旅費が執行できないことが次年度使用額の発生した理由である。次年度使用額は広島大学で実施する実験に必要な物品の購入とヨーテボリ大学への渡航費用として使用する予定である。
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