研究課題/領域番号 |
20KK0253
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
松尾 政之 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40377669)
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研究分担者 |
兵藤 文紀 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 特任准教授 (10380693)
加藤 博基 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (70377670)
野田 佳史 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (60643020)
川田 紘資 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (00585276)
河合 信行 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (20724561)
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研究期間 (年度) |
2020-10-27 – 2024-03-31
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キーワード | 超偏極 / DNP / 酸素 / イメージング |
研究実績の概要 |
酸素・エネルギー代謝などの生理機能は、生体の恒常性維持を司るとともに様々な疾患や治療に重要な役割を果たすことから、新たな病態画像診断のためのイメージングバイオマーカーとしての活用が期待されている。本研究では、米国NIHのMurali博士らのグループで保有する開発装置および画像処理技術や計測ノウハウに、申請者らの臨床応用へ向けたトランスレーショナルリサーチを融合し、癌診断・治療において酸素・エネルギー代謝に基づく治療効果の早期診断法への展開を目的としており、初年度はコロナ禍で海外渡航が不可能であったため、Webミーティングを実施して研究項目および今後の検討内容について議論した。 本学では、国際交流研究で使用する超偏極装置(Hypersence)を立ち上げ、Murali博士の研究室で実施している超偏極実験のプロトコールを参考にして、溶液およびマウスを用いた超偏極実験を開始した。実際にNIHと同様のプロトコールで超偏極を行うことで、10000倍以上に高感度化されたピルビン酸の信号を得ることに成功した。また、乳酸脱水素酵素の添加でピルビン酸から乳酸への代謝変化をリアルタイムで検出することができた。さらに、膵癌モデルマウスを作製し超偏極したピルビン酸を投与した結果、腫瘍内でのワーバーグ効果に基づく癌特異的代謝を検出することに成功した。今後はMurali博士らの実施しているデノイジング技術などを導入して高精度な評価法を確立する予定である。 酸素イメージング装置については、Murali博士らの試作したコンソールを当研究室の磁石に接続し外部磁場が正常に起動することを確認した。今後は、酸素イメージング用造影剤であるOXO63を用いた二次元画像化・酸素イメージングについてMurali博士らのグループと共同で進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
個々の研究についてはWeb会議等を行い順調に進んでいるが、コロナ禍の影響で代表者および若手研究者の海外派遣ができていないため現地での実験ができていない。
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今後の研究の推進方策 |
米国及び日本において渡航できる状況に移行した後、速やかに代表者および若手研究者を派遣して国際共同研究を推進する。それまでの期間は、各研究機関における研究項目を実施し、適宜Webミーティングを行い研究を推進するとともに国際交流を深める。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた研究が効率的に進み、実験で使用予定の動物数が減ったため。
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