研究課題
本国際共同研究では、米国国立癌研究所(NCI/NIH)のMurali博士らのグループと、電子と核スピンの2つの量子を用いた量子技術である超偏極MRIについての研究を実施することを目的として研究を推進してきた。特に、低温超偏極装置を用いたdissolution DNP-MRI/MRSでは、13Cピルビン酸を超偏極プローブとするエネルギー代謝イメージングにおいて、MRIやMRSの感度が10000倍以上増幅することを確認し、米国NIHとの共同研究において、一定濃度のガドリニウム造影剤の添加が超偏極状態を早く惹起し、また偏極率も高くなることを明らかにした。また生体超偏極MRI(in vivo DNP-MRI)においては、DNP造影剤であるニトロキシルラジカル1種のTempolがGSHの共存在下においてX線の線量依存的にラジカルを消失することを明らかにし、本システムを用いることでX線線量の2次元の分布の定量的可視化が可能となることが明らかとなった。これらは国際共同研究の成果として現在論文を投稿中である。また本国際共同研究を通じて、若手の大学院生がNIHとの研究交流を深め、博士取得後に博士研究員(ポスドク)として留学することとなり、より強固に国際共同研究を推進できる運びとなった。
すべて 2023
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Clinical Cancer Research
巻: 29 ページ: 5173~5182
10.1158/1078-0432.CCR-23-1635