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2023 年度 実施状況報告書

人間活動に伴う植物の短期的適応進化の学際統合的理解

研究課題

研究課題/領域番号 20KK0257
研究機関東北大学

研究代表者

大林 武  東北大学, 情報科学研究科, 教授 (50397048)

研究期間 (年度) 2021 – 2024
キーワード遺伝子共発現ネットワーク / 短期進化 / 環境適応 / 小麦
研究実績の概要

異質倍数体はゲノム配列の種内バリエーションを一つの個体に取り込み、遺伝子の新しい組み合わせを探索することで、新規の環境への適応を可能にする植物の広く見られる短期進化の重要な戦略である。本研究では遺伝子共発現解析を通じて、この遺伝子の新しい組み合わせの出現とその機能を解明する。
重要な穀物であるコムギは、異質6倍体(AABBDD)の特徴を持つ。同質倍数体ゲノムではサブゲノム単位の制御が示唆されているが、異質倍数体におけるサブゲノム単位の制御の存在やその効果は明確でない。公共リポジトリに登録されているRNAseqデータを用いてコムギの全遺伝子ペアの遺伝子共発現関係を導出した結果、多くの遺伝子共発現モジュールがサブゲノムA, B, Dにまたがっている一方で、少なくとも一部の共発現モジュールは特定のサブゲノムの遺伝子のみで構成されていることが示された。
並行して、植物を文化進化の観点から解析する手法を構築した。同一の生物に対して異なる言語で異なる呼び名が存在するが、文化的な接触に基づく語彙の伝播により、呼び名は言語を超えた類似性の構造を持つ。これまでに哺乳類を対象に、呼び名の通言語的な類似性構造からその生物種の起源(野生の生息域)とそこからの語彙の伝播の歴史を考察してきた。今年度は食用植物を含む有用植物について、呼び名から伝播の歴史を考察した結果、これらの植物においてもその起源と伝播の歴史を追跡できることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

倍数体植物の共発現データの解析と文化進化の解析を並行して実施したが、これらを統一的に議論できる段階にはまだ至っていない。

今後の研究の推進方策

倍数体植物の共発現データの解析と文化進化の解析を進め、統一的な議論の枠組みを構築する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] Visualizing human impact on plant transmission from linguistic data2024

    • 著者名/発表者名
      Obayashi T, Nishikawa Y, Matsumae H.
    • 学会等名
      第71回日本生態学会大会
  • [学会発表] Subagging of Principal Components for Sample Balancing: Building a Condition-Independent Gene Coexpression Resource from Public Transcriptome Data2023

    • 著者名/発表者名
      Obayashi T
    • 学会等名
      Function COSI, ISMB/ECCB 2023 (Intelligent Systems For Molecular Biology / European Conference On Conputational Biology)
    • 国際学会
  • [学会発表] 遺伝子共発現データベースATTED-IIにおける種固有の共発現情報の導出と利用の展望2023

    • 著者名/発表者名
      大林武
    • 学会等名
      日本バイオインフォマティクス学会北海道地域部会 第1回北海道バイオ"Mix up"
    • 招待講演
  • [学会発表] The transmission of plant names across languages can be visualized from open data2023

    • 著者名/発表者名
      西川有理, 松前ひろみ, 大林武
    • 学会等名
      2023年日本バイオインフォマティクス学会年会 第12回生命医薬情報学連合大会(IIBMP2023)

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公開日: 2024-12-25  

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