研究課題/領域番号 |
20KK0266
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
上野 雅由樹 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 准教授 (10709538)
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研究期間 (年度) |
2021 – 2023
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キーワード | オスマン帝国 / イスタンブル / 都市社会 / 多文化社会 |
研究実績の概要 |
オスマン帝国は、文化的背景の面で多様な人々を内包したことを特徴としており、その帝都イスタンブルは、帝国の縮図として、宗教や言語、民族の面で様々な人々が暮らす近世・近代の巨大都市だった。こうしたイスタンブルを題材に、本研究では、イスタンブルでの長期にわたる史料調査と共同研究を通じて、都市社会史の観点から、19世紀におけるオスマン帝国の近代国家化がイスタンブルに居住した様々な宗派集団間の関係にどのような影響を及ぼしたのかを検討する。そして、帝国政府と都市住民の縦の関係の解明を主眼とする基課題の成果と、様々な宗派集団間の横の関係を解明する本研究の成果をあわせることで、立体的に19世紀オスマン帝国の多宗教多宗派をめぐる編成・秩序を明らかにすることを計画している。 2021年度に関しては、渡航前の準備段階として、海外共同研究者であるヤシャル・トルガ・ジョラ氏との調整や受入手続きを進めたほか、これまでの研究で収集してきた史料を整理し、そのなかに利用可能なものはあるか、この研究課題においてどのような調査を行うべきかについて検討した。その過程を通じて、イスタンブルにおける宗派集団間の関係をめぐっては、実際の対立や協調といった側面だけでなく、様々な集団が他の集団の状況や政治権力による扱いをどのように見ていたのか、それを自分たちの処遇にどのように結びつけていたのかにも注目することが有益であることを確認することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルスの蔓延により、先が見通せない状況にはあるものの、受入研究者との事前調整や受入研究機関側の手続きは順調に進めることができており、2022年度に渡航し、本格的に研究を始める準備は予定通り整えることができている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り、2022年の8月からイスタンブルに渡航し、海外共同研究者との共同研究を進めることを計画している。
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