貧困研究においては、世帯を単位に貧困が把握されることが一般的だが、女性の貧困はそれでは見えなくなってしまいがちであること、その問題を解消するために、新たにどのように貧困を把握できる可能性があるかについて、日本ではほとんど知られていなかった。世帯内における資源配分の不平等を把握しようとする本研究は、世帯を単位にしてきた従来の貧困 研究の方法論を刷新する可能性を持ち、貧困概念やその捉え方をジェンダー視点から豊富化させる理論的観点からその重要性を位置づけることができる。くわえて、見えにくい女性の貧困の実態を可視化させることにつながるものである。
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