研究課題/領域番号 |
20KK0298
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
高岸 幸弘 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (00635170)
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研究期間 (年度) |
2021 – 2023
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キーワード | スタッフトレーニング / 児童福祉施設 / カナダ |
研究実績の概要 |
当該年度の研究成果は以下の2点である。 ①本研究課題の基課題の実績を整理し、カナダでのスタッフトレーニングプログラムの作成について共同研究者と議論を深めた。当初の計画では、2020年度に終了した基課題の成果を確認し、2021年度中に渡加する予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大の状況を受けて延期した。しかしながらその期間に、共同研究者とのオンラインによるミーティングを重ね、日本との児童福祉現場の状況の違いなどを確認することができ、カナダで実施する予定であったスタッフトレーニングプログラムは修正することとした。具体的には、日本で開発したスタッフトレーニングプログラムをそのまま実施するのではなく、カナダでも日本で実施したようにニーズ調査を行い、それらに基づいてトレーニング内容を構成することとした。 ②文献研究による文化差を超えて共通する児童福祉現場のストレス状況の理解を深めた児童福祉現場の、日本とカナダとの共通ストレス要因と特異的ストレス要因の特定だけでなく、それらを他国の状況も含めて考察することで、想定されるカナダの児童福祉現場のストレス状況が浮き彫りとなった。本研究課題の主題である、子どもや青年の性的行動および性的問題行動に対するスタッフの反応は概してストレスフルな受け止め方をされる傾向にあり、性の発達に関する基礎的知識の獲得が、スタッフのストレス軽減および適切な反応や対処につながることが明確化された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では2020年度に終了した基課題の結果を踏まえ、そこで開発・実施したスタッフトレーニングプログラムをカナダでも実施する予定であった。しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大の状況を踏まえ、対面によるスタッフトレーニングプログラムの実施と効果検証は困難であると判断し、渡航を2022年2月まで延期した。しかしながら、渡航後は対面もしくはオンラインによるミーティングを行い、今後の研究活動の手続きを具体的に決定していったため、当初の予定よりはやや遅れてはいるものの、研究期間内での課題遂行は現実的なものであると見込んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
基課題で実施した、日本での手続きを踏襲し、児童福祉現場のスタッフトレーニングプログラムを開発・実施する予定である。具体的には、①フォーカスグループによる実態把握、②個別インタビューでのフォーカスグループの補完、③調査研究の実施、④スタッフトレーニングプログラムの内容の構築、⑤スタッフトレーニングプログラムの実施および効果検証を行う。2022年度のカナダ滞在中に完了する予定である。
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