研究課題/領域番号 |
20KK0317
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
藤原 正澄 岡山大学, 自然科学学域, 研究教授 (30540190)
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研究期間 (年度) |
2021 – 2023
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キーワード | 蛍光ナノダイヤモンド / 温度測定 |
研究実績の概要 |
本国際共同研究では、蛍光ナノダイヤモンドを用いたナノ温度測定を異なる測定原理にもとづく複数の測定モードで同時に行うマルチモーダル温度量子センシング技術を開発する。これにより、ナノ温度計測において障壁となる測定アーティファクトを削減し、高い信頼性を有する生体内温度計測として基課題に技術移植し、生体内一細胞温度のより精密な定量を実現する。外国研究者としては、蛍光寿命量子センシングハイブリッド技術を有するBenson教授(独国)がホスト研究者として参画する。また、微細加工や補償光学実装に関して、Schroeder博士(独国)・Patton博士(英国)が協力者として参画する。 2021年2月に交付内定を受けた後、所属大学における学内調整の結果、2021年度に交付申請・決定となった。今年度は、上記共同研究者らと研究や渡航に関してメールやオンライン会議形式で議論・調整を行った。 また、蛍光ナノダイヤモンドの電子スピン計測に用いるマイクロ波照射系の開発が進展した。マイクロ波照射アンテナをガラス基板上に有限要素法により設計し、作製することで、蛍光ナノダイヤモンドのスピン信号を定量的に予測可能となった。この成果は、デバイス研究における世界的雑誌のLab on a Chipに受理され、現在出版準備中である。今後、より効率的で正確な温度計測が可能となると期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
学内調整の結果、交付決定に至った。2021年度は渡航予定がもともとなく、オンラインメディアを通じての議論を目的としていた。その点で、当初の予定通り進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、多重化量子センシング温度計と温度アーティファクト定量について、Benson研究室において代表者がナノ粒子からの蛍光寿命をリアルタイムで測定するために、光繰り返しピコ秒レーザーを光源とし、光子検出器からのTTL信号を時間相関光子計数装置によって測定することを予定している。また、研究協力者のPatton博士(英国)から補償光学技術の提供を受けるために、代表者とMC院生が渡英することを予定している。
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