研究課題/領域番号 |
20KK0333
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
欠畑 岳 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員 (80824606)
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研究期間 (年度) |
2021 – 2023
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キーワード | ユースアスリート / トレーニング / 神経制御 / 大腿筋活動 |
研究実績の概要 |
走運動は最も基本的かつ重要な運動である。本国際共同研究の基課題(若手研究:スプリント時の神経制御の特徴の解明)では、オリンピック選手を含むシニアアスリートを対象に、スプリント(全力疾走)には①主動筋/拮抗筋のスムーズな切り換え、②左右両脚の協調性という神経制御能力が重要であることを解明してきた。しかし、その能力は習熟度が既に高い彼らに特有か?あるいはトレーニングで改善できる能力か?疑問が生じる。仮にトレーニングで改善が可能なら、神経制御の特徴に基づくスプリント指導方法の開発に繋がるだろう。そこで、本国際共同研究は、走能力が発達過程にあるユースアスリートを対象に、「トレーニングで神経制御の特徴は変化が生じ、スプリント能力の向上に貢献するか否か」を解明する。そして、スプリント指導へ神経制御という新しい観点から科学的根拠を提示することを目指す。 当初、本年度(2022年度)の始めに渡航を開始する計画であったが、本年度より研究代表者の所属先が異動となったこと、引き続き新型コロナウイルスの影響による渡航制限の影響、就労ビザの取得に時間を要したことなどから、10か月ほど遅れて本渡航を実現する形となった。本渡航の前に、日本国内のユースアスリートおよびシニアアスリートを対象に実験を進め、昨年度に引き続きスプリント走における筋活動、3次元キネマティクス、形態学的データなどについて取得し、成果発表をすることができた。 渡航後は、渡航先外国機関(National Youth Sports Institute, Singapore)における実験環境の整備を順調に進めることができ、また関連のスポーツスクールのトラック&フィールドクラブのコーチ、アスリート、研究者との全面的な実験協力体制を整えながら、予備的な測定を実施することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の渡航期間よりも、10か月ほど遅れて本渡航となったものの、その期間において日本国内のユースアスリート、シニアアスリートを対象に順調にデータ収集をすることができたため。また、本渡航開始後、派遣先機関(National Youth Sports Institute)における、実験環境の整備を順調に進めることができ、関連のスポーツスクールのトラック&フィールドクラブのコーチ、アスリート、研究者との全面的な実験協力体制を整えながら、予備的な測定を実施することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
渡航先外国機関(National Youth Sports Institute, Singapore)は、ユースアスリートに特化した研究機関である。ユースアスリートを柔軟にリクルートできる強みを生かし、スプリント走におけるデータを幅広く取得していく。日本国内において取得済みのデータと対応させ、「トレーニングで神経制御の特徴は変化が生じ、スプリント能力の向上に貢献するか否か」の解明に繋げる。
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