研究課題
交付申請書に記した研究目的に即し、研究代表者はepigenetic制御分子の欠損で共通に見られるゲノム不安定性、トランスポゾンの再活性化、炎症性の亢進、および細胞腫瘍化の機構解明を目指して、ヘテロクロマチン領域でのシトシンメチル化に着目して研究を進めた。主たる連携海外研究機関であるLa Jolla Institute for Immunology (LJI)での実験データの取得(R3年度)と解析(R4年度)を連動して進め、その過程で近隣のUniversity of California, San Diego (UCSD)の研究者の協力も得た。研究期間全体を通じて行った、TET欠損で誘導される急性骨髄性白血病マウスモデルの研究では、ヘテロクロマチンからユークロマチンに変化する領域に関する原著論文を発表した。この論文を通じて、本研究の目的とする「ヘテロクロマチン機能不全と疾患発症の関係性」を明らかにしたことは大きな成果であった。また、該当領域にクラスターを形成しているstefin遺伝子のヒトにおけるホモログ遺伝子群の発現と、がん患者の予後についても新たな知見が得られた。さらに、本研究に関連する英文原著論文を八報、英文総説を一報、邦文総説を二報発表した。いずれも、epigeneticと関連疾患に関する内容が中心である。これらに加えて、日本国内でも複数回の学会発表の機会があった。研究のキーデバイスである第三世代シークエンス技術(Oxford Nanopore社製)によるデータの取得は、オーストラリアのThe University of Queenslandとの共同研究であるが、国内所属研究機関でも同様の運用ができるように、附属病院検査部やかずさDNA研究所との共同研究体制の整備に取り組んでいる。以上のように研究期間全体でほぼ予定通りに研究を進めることができ、十分な成果を得られた。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 4件) 備考 (1件)
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