研究課題/領域番号 |
20KK0359
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
椎村 祐樹 久留米大学, 付置研究所, 助教 (40551297)
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研究期間 (年度) |
2021 – 2023
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キーワード | グレリン受容体 / GPCR |
研究実績の概要 |
本年度は、アナモレリンが結合したグレリン受容体の構造解析を中心に研究を進めた。これまでの研究で良好な精製タンパク質粒子が得られていることがわかっていたので、大阪大学の300 keV電子顕微鏡Kriosでサンプル粒子を取得した。画像解析の結果、2.9オングストローム分解能で構造決定することができた。さらに得られた構造情報をもとにアナモレリンから4オングストローム以内にあるグレリン受容体の17のアミノ酸を抽出してアラニンに変異させた。このグレリン受容体変異体を用いてアナモレリン添加時のカルシウムシグナル活性を測定することにより結合に重要なアミノ酸の同定を試みた。その結果、Asp99、Arg102、Lue103、Gln120、Glu124、Ile178、Phe279、Arg283、Phe286、Asn305およびPhe309といった複数のアミノ酸点変異体でシグナル活性の減弱が確認された。次にアナモレリン結合構造と構造既知のグレリン受容体と比較したところ、アゴニストであるグレリンやイブタモレン、GHRP6結合構造と構造上の違いはほとんど見られず、構造新規性は低かった。そこで、渡米中に知り合ったSanford Researchの増保先生にお願いして、BRET活性によるシグナルアッセイを行って頂いた。増保先生のシグナルアッセイ系では、構造変化に起因するシグナル変化を測定することができる。その結果、アナモレリンは内因性アゴニストであるグレリンよりも作用の強い、「スーパーアゴニスト」であることがわかり、現在、論文執筆中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2021年にグレリンが結合したグレリン受容体構造が複数報告されたことで、グレリン結合構造を中断して、アナモレリン結合構造のみに標的を絞ったことで、発散させずに実験を進めることができ、2.9オングストローム分解能で構造決定することができた。。また渡米中に知り合ったSanford Researchの増保先生と協力体制を取ることができたため、構造情報を応用して生化学的な実験を進めることができるようになり、アナモレリンについて多くの知見を得ることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
論文のための主な実験データは出揃っているため、実験データをサポートするための実験をいくつか行いながら、並行して論文を執筆する。論文は6割程度執筆できているので、上半期中に投稿を目指す。
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