腹膜炎は腸管穿孔による腹腔内への腸内細菌の漏出が一因となり、急性で全身性の強い炎症が惹起される病態である。腹膜炎は敗血症へ病態移行し最終的には多臓器機能不全により死亡する。よって腹膜炎から敗血症への移行を妨げるためには新たな視点から腹膜炎発症時の炎症動態を解明することが必要である。脂肪組織には多数の免疫細胞が存在し、免疫器官としても機能することが近年明らかとなってきている。これは腸管穿孔時には脂肪組織が免疫器官としても機能し腹膜炎の炎症制御に関与しているが、腹膜炎発症時における脂肪組織の免疫学的な役割は不明である。そこで本研究は腹膜炎発症時における脂肪組織の免疫細胞の動態について研究を行った。
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