研究課題/領域番号 |
20KK0363
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三島 英換 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (00706939)
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研究期間 (年度) |
2021 – 2023
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キーワード | 細胞死 / フェロトーシス / 脂質ラジカル / 過酸化脂質 / 酸化ストレス / 急性腎障害 / アポトーシス |
研究実績の概要 |
2021年からドイツ、ヘルムホルツ研究センターミュンヘン Institute of Metabolism and Cell DeathのMarcus Conrad labに渡航し、研究遂行をおこなった。i) 鉄介在性脂質酸化依存性の制御性細胞死であるフェロトーシス(Ferroptosis)の内在性および外因性の制御機構の検討、およびii) フェロトーシスを抑制及び誘導する化合物の探索を主なテーマとして研究を行った。マウス線維芽細胞およびヒトがん細胞の培養細胞株を用いたin vitroの実験系の検討からフェロトーシスを制御する新たなシグナルを同定した。シグナルのノックアウト細胞系をCRIPSRテクノロジーを用いて作成し、細胞のフェロトーシス感受性への影響を検討した。さらにこのシグナルがin vivoにおいてのフェロトーシス制御における役割について動物モデルを用いた検討を始めている。さらにこのシグナルを調整しうる小分子化合物の探索をドラッグスクリーニングの系を用いてすすめる予定である。また、フェロトーシスを誘導する化合物の検討の過程において、既存報告ではシスチン/グルタミンアンチポーターの阻害能を介してフェロトーシスを誘導すると報告されている抗がん剤でもあるSorafenibは実際にはフェロトーシスは誘導する薬効は乏しく、Sorafenibによって誘導される細胞死はフェロトーシス抑制薬では抑制できない非フェロトーシス細胞死であることを明らかにした(Cell Death Dis. 2021;12:698)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍ではあったが予定通り2021年からドイツ、ヘルムホルツ研究センターミュンヘン Institute of Metabolism and Cell DeathのMarcus Conrad labに渡航し、研究遂行をおこなうことができた。フェロトーシス(Ferroptosis)の内在性および外因性の制御機構の検討、およびフェロトーシスを抑制及び誘導する化合物の探索を主なテーマとして研究を行い、マウス線維芽細胞およびヒトがん細胞の培養細胞株を用いたin vitroの実験系の検討からフェロトーシスを制御する新たなシグナルを同定した。シグナルのノックアウト細胞系をCRIPSRテクノロジーを用いて作成し、細胞のフェロトーシス感受性への影響を検討することができた。また、フェロトーシスを誘導する化合物の検討の過程において、既存報告ではシスチン/グルタミンアンチポーターの阻害能を介してフェロトーシスを誘導すると報告されている抗がん剤でもあるSorafenibは実際にはフェロトーシスは誘導する薬効は乏しく、Sorafenibによって誘導される細胞死はフェロトーシス抑制薬では抑制できない非フェロトーシス細胞死であることを明らかにした(Cell Death Dis. 2021;12:698)。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きヘルムホルツ研究センターミュンヘンにて研究を遂行する予定である。今回見つけたフェロトーシス制御シグナルががin vivoにおいてのフェロトーシス制御における役割について動物モデルを用いた検討を行う。さらにこのシグナルを調整しうる小分子化合物の探索をドラッグスクリーニングの系を用いてすすめる予定である。
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